七夕

 仄かに汗ばむ八日の夜。夜風に戦ぐ、端が折れた吹き流し。

 隣に座る貴女の手を無意識に求め、重ねようとした右手はまた空を掴む。

 夜空に流れる天の川の、彼岸から流れた星一つ。

 それが織姫の涙ならば、此岸に佇む私は彦星なのだろう。

 今年も無量無辺の星を仰ぎ、何処かに貴女の面影を捜す。 

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