ダメ姉は、大富豪する(後編)
接待プレイされるのが嫌で。皆と公平に遊びたくて。半ば冗談で―――『負けたら脱いでいく罰ゲーム制にしたらどうかな?』―――なんて口にしてしまった私。
「マコ、言ったわね?言質は取ったわよ?まさか……冗談だった、なんて言わないわよね?女に二言はないものね」
「え、あの……カナカナ?いや、私冗談のつもりで―――」
「ぁ?」
「HAHAHA!女に二言はないです、ハイ……」
その直後、カナカナはとっても怖いお顔になって『なーんて、冗談だけどねー』と言いかけた私の言葉を封殺。
「脱衣、マコ先輩の……脱衣……先輩の、あられもないお姿…………」
「れ、レンちゃん!?どしたのその鼻血は!?」
「想像しただけで、ご飯三杯はイケますね……!」
そしてレンちゃんは、まるで私がコマのあられのない姿を妄想している時のように……滝のような鼻血を流してトリップする。
おおっとこれは。ひょっとしなくても私……余計な事を言っちゃったか……?
「よしやりましょう今やりましょうすぐにやりましょう。マコ、悪かったわね。確かにいくら好きな人を喜ばせたいからってゲームに手を抜いちゃダメよね。……こっからは、わたし本気よ」
「マコ先輩……!あたし、接待プレイするなんて間違ってました!やっぱりやるからにはどんな遊びでも全力、ですよね!だから全力で……マコ先輩を、脱がせますから……!」
急にやる気とカメラを持ち出して、私の前で舌なめずりする親友と後輩。……こわい。なんか……二人の血走った眼がとても怖い。
ま、まあそう心配せずとも大丈夫だろう。だってここには……
「お、お待ちくださいかなえさま、レンさま!」
そう、常識人のコマがいるんだからね。
「なによコマちゃん。やらないの?やる気ないなら出て行って頂戴な」
「無理に、なんて言いませんよ立花先輩。ここはあたしとマコ先輩たちで楽しくやらせていただきますので!」
「ダメです、ダメ!不健全!脱衣大富豪だなんて良くありません!……い、良いですか?そりゃあ私も姉さまの脱衣には興味がありますが、それとこれとは話は別。こ、このような神聖な学び舎で、そんな破廉恥極まりない行為など……」
コマは慌てた様子で二人を諫め始める。うんうん、コマは良いことを言うなぁ。
…………ちなみに。神聖な学び舎で、これまでも脱衣罰ゲーム以上に不健全な事をコマにアレコレやられた経験があるのはカナカナとレンちゃんにはナイショだ。
「御託は良いわ。逆に聞くけど、コマちゃんは見たくないの?マコの、艶姿」
そんなありがたいコマの説得を一蹴し。我が一番の親友は真剣な眼差しでコマを見据えてこう問いかける。
「…………ぅ……べ、別に……そんなの、お家に帰って二人っきりになればいくらでも見れますし……そ、そもそも!姉さまのすべては私のモノ……!他の誰にも見せるつもりは―――」
「分かってないわね。そりゃ二人っきりになればいくらでも見れるでしょうよ。でもね、ここでしか見られないものもあるのよ?それを、貴女は見たくないのかって聞いてるのよわたしは」
「な、なんですかここでしか見られないものって…?」
「この神聖な学校の教室で、貴女やわたしたちの舐めるような視線を浴びながら……マコが恥じらいつつ服を一枚一枚脱いでいく……そんな背徳感溢れる光景を。貴女は見たくないの?」
「……」
「見たくないの?」
「…………」
「あの、コマ……?」
そのカナカナの問いかけに、コマは数秒フリーズし。
「マコ姉さま」
「あ、うん。なにかなコマ?」
「……どうか愚かな妹を、お恨みになってください……蔑んでください……」
「え」
「私、見たいです……!そんな素敵な姉さまを……!」
「コマぁ!?」
説得していたハズなのに、逆に説得されて取りこまれたコマ。味方が、いない……
「さてマコ。全員の了承も無事に得たところでルールを決めましょうか。「い、いやあの待って?私は了承したわけでは……」まず基本的にはさっきやってた大富豪と同じで「聞いてる?ねえカナカナ?」良いわよね?」
「ですね。ヒメさまが抜けられましたから「コマも聞いて頂戴。私は罰ゲームの提案をしただけで、やるとは一言も……」階級が『大富豪』『富豪』『貧民』『大貧民』の4つになりましたけど「コマ?コマさん?聞いてますかい?」まあ、『平民』がいなくても特に何か変わるわけでは無いので問題ないですよね」
「それで肝心要の―――罰ゲームをどうするか、ですけど。「レンちゃん?君は私の話を……」やっぱり大富豪のルールに則って「聞いて……くれる、よね?」『大貧民が二枚、貧民が一枚服を脱ぐ』というのはどうでしょうか?」
「「異議なし」」
「いや異議あるわ!?聞いてよぉ!?」
私の抗議をガンスルーし。三人はさっさとルールを設定する。
「何よマコ。まさかルールに不満でもあるの?」
「それ以前の問題だよ。わ、私はまだ一言もこの罰ゲーム有りの大富豪に参加するとは言ってないんだけど……?」
「は?何を言うか。罰ゲームの言い出しっぺが参加しないとかダメに決まってるでしょうが」
「うぐっ……」
それを言われると、ぐうの音も出ない……カナカナに言われ、半強制的に参加されられることになった私。
「ですです!女らしく覚悟決めてあたしたちに脱がされてください、先輩!」
「大丈夫、大丈夫ですよ姉さま……優しく、脱がしていきますので……!」
くそぅ……コマも、レンちゃんも。もうすでに私が脱がされる前提で話していやがる……こ、この子たち。さては自分が脱がされて丸裸にされる可能性なんて微塵も思っていないなコレ……
「(ならば……勝って勝って勝ちまくって。逆に脱がせてやろうじゃないの……!)」
どうにもこの三人。自分たちも脱がされるかもしれないという可能性が完全に頭から抜けているご様子。いいだろう、そっちがその気なら……私も容赦しない!
世界一大切な妹だろうと、信頼している親友だろうと、可愛い後輩だろうと……全員残らず、丸裸にして。その美しい裸体を、私の脳内コレクションに永久保存してやろうじゃないのさ……!
「そうと決まれば……勝負だ皆!」
そんなこんなで哀れで愚かな羊VS徒党を組んだ狼×3。本気と本気の戦いが、今始まる。
~脱衣大富豪:一戦目~
『―――はい、あがりですね姉さま』
『コマちゃんが一番に上がったから。大富豪だったマコは都落ちね』
『マコ先輩、大貧民確定ですね!二枚脱ぎ、確定ですね!』
『……』
まだまだ!勝負は始まったばかりだ!
~脱衣大富豪:二戦目~
『よし、あがりっと。悪いわねマコ、またあがれなかったみたいで残念だったわね』
『さあ先輩っ!二枚ですよ二枚!早く脱いでください!』
『寒くないように、教室の暖房をつけておきました!これで何の遠慮もなく脱げますね姉さま!』
『……』
ま、まだだ!まだ勝ちの目はある!
~脱衣大富豪:三戦目~
『すみません先輩、接戦でしたけど……あたしあがりです!』
『まったくもう、随分とひやひやさせてくれるわね柊木』
『でも良かったです。これで……また、姉さまが大貧民で二枚脱ぎですね♪』
『……』
ま、まだ……まだ私にも……勝つ可能性が……
~脱衣大富豪:四戦目~
『私のあがりですね』
『あたしもですー!』
『わたしもよ』
『…………』
勝つ、可能性……が……
◇ ◇ ◇
ブレザー、ネクタイ、スリッパ、靴下、リボンにetc.一枚、また一枚。パサリと音を立てて無情にも私の身体から離れてゆく。
5連続、大貧民☆
…………おかしい。ただの一度も、あげれない……!?いくら3人が結託して私を大貧民にしようとしているとはいえ……ここまであがれないのは流石におかしくない……?
「(も、ももも……もしや……この3人が最初接待プレイしていたのって、ただ私に気持ち良く勝ってもらう為だけじゃなくて……単に私が、あまりにも弱すぎるからなのでは……?)」
不意に嫌な考えが頭をよぎる。こんな考えが出てきてる時点で、私すでに精神面で負けている気がするぞ……
「―――あ、あの……コマ?そ、そろそろ下校の時間だし、今日のところは……この辺で止めにしない?」
「倍プッシュです姉さま♡」
「か、カナカナ!カナカナはもう止めにしたいって思ってるよね?」
「何言ってんのよマコ。こっからが良いところなんじゃないの」
「れ、レンちゃん!これ以上遅くなると、レンちゃんのお家の人が心配するよ!?」
「今日は遅くなるってつい今しがた連絡したのでご心配無用です!さあ、ネクストゲームですよマコ先輩!」
泣いてそろそろ許して貰えるように懇願するけれど、皆は熱い視線を私に浴びせながら続行を希望する。私の残りの装備は……シャツにスカート、そして……ブラとパンツのみ。これ以上はもう後がない状況。次に大貧民になったら……ヤバい……マジでヤバイ。
だ、誰か……誰か救いの神は居ないのか……?誰でもいい、だれか……
「み、みなさーん……そろそろ下校の時間です―――って、アレ?どうしたんですかマコさん……?」
「神キタァアアアアア!」
なんて心の中で救いを求めた直後。その願いに呼応するように、この修羅場へと舞い降りてきた一人の教師。
他でもない、我が尊敬する料理の師匠―――清野和味せんせーだ。
「あ、あの……どうして皆さんマコさんを取り囲んでいるんですか?マコさん一人で服を脱いでいるんですか?ま、まさか……イジメですか……?」
「いいえ。ただ脱衣大富豪をしているだけです。合意の上ですよ先生」
「脱衣、大富豪……?」
「ただのお遊びです。虐めじゃないので安心してください。…………なんなら、先生。観戦しますか?」
「え……」
「今ちょうど良いところですよ!あとちょっとで、先輩があられもないお姿になりますよ!」
「……」
「(せんせー!ここは一つ、この子たちにビシッと注意してやってください!)」
こっそり皆に隠れ、アイコンタクトで助けてくださいとせんせーに助けを求める私。良識あるせんせーなら、きっと『こんな不健全な遊び、いけません!』って怒ってくれるはず。
そう期待する私を前に、せんせーは顔を真っ赤にしてこう言ってくる。
「ちょ、ちょっと待ってください皆さん……いけません、いけませんよ……!」
「「「何がいけないんですか?」」」
「まだです、始めるのはいけません…………か……カメラ!カメラ持ってくるので……もう少しだけ、脱衣大富豪を始めるのは待っていてください……!」
「せんせぇえええええ!?」
そう言って職員室まで自前のカメラを取りに戻って行った和味せんせー。救いの神は死んだようだ……
「カメラですか……困りましたね。今日はあまり良いカメラを持ってきていないんですよね私。せいぜいいつも持ち歩いてるデジカメくらいしか……こんな事になるのなら、この間奮発して買ったカメラを持ってくるんでしたよ」
「デジカメあるんならそれでいいでしょ。なんでいつもデジカメ持ち歩いてんのよ……後でデータよこしなさいよねコマちゃん」
「あたしにもください先輩!」
先生が戻ってくる間、デジカメやスマホのカメラで私を激写しながらそんな会話を楽しんでいるコマたち。くそぅ、余裕だな皆……
「お待たせしました!では、続きをどうぞ皆さん!」
和味せんせーも戻ってきたところで、再び(コマたちにとっての)天国と(私にとっての)地獄の脱衣大富豪が再開される。
「(うわ……これは、手札も酷い……)」
もう脱げるものも残り少ないこの状況で、手札もかなり悪い。見た感じとにかく弱くて何の効果もないカードばかりが揃っている。
2とかジョーカーとか。強いカードも数枚あるにはあるけど……
「姉さま、すみません。ではカードの交換をお願いします」
「……うん、はいこれをどうぞコマ……」
その強いカードも。大富豪のルールで『大貧民』ではる私は『大富豪』のコマへ二枚一番強いカードを献上しなければならないのである。さよなら2、そしてジョーカー……
代わりにコマから3と4のカードを交換される。これで私の手札は更に貧弱に。……ダメだ。もうこれ、勝負は決まったようなものじゃ―――
「(って……あれ?)」
と、ふとそんな絶望的な手札を眺めていると、とあることに気が付く私。…………いや、コレ……もしかしたら……万が一の可能性だけど……勝てる、勝てるかもしれないぞ……?
「では大貧民の姉さまから始めてください」
「……わかった」
実質三対一の勝負で、手札はあまりにも貧弱。だけど……わずかだけど光を見た。
勝てる、いや勝つ!全員勝ちを確信しているこの状況……絶対に活かしてみせる……!
「じゃあ私は10を、3枚出すね」
「わわ、マコ先輩最初から随分飛ばしていきますね。じゃああたしはQを三枚出します!」
「いきなりそんなの出して息切れしても知らないわよマコ。わたしはKを3出しするわね」
「では私はAを3枚です」
「……パス」
手札の中で二番目に強い10を一気に3枚出してみるも、コマもカナカナもレンちゃんも。余裕で返してくる。返せない私はすぐにパスを宣言する。
「ほらねマコ。やっぱし息切れしてるじゃないの。コマちゃん。可愛そうだからさっさと勝負つけちゃってあげて」
「このまま突っ走ってください立花先輩!」
「期待していますよ立花さん」
「わかりました、お任せください皆さん。そして……姉さまお覚悟を」
その後もコマ、カナカナ、レンちゃんは順調にカードを処理し。一方の私は最初以降カードを出さず、ただ静かにパスを連発し時が来るのをただ虎視眈々と待つ。
「何もしなくて良いのかしらマコ?それとも……もう諦めちゃった?」
「……さあね」
……まだだ、まだ。我慢だぞ立花マコ。もう少し……もう少しでチャンスはきっと来る。
「では、私はAを2枚出しますね」
そうこうゲームを続けて行って。コマは場に2枚カードを出す。コマの残り手札は2枚。カナカナ、レンちゃんも残り枚数3枚で、この私の残り手札はまだたくさん残っている。
これはもう勝負は決まった―――この場にいるほぼ全員がそう確信しただろう。……そう、私以外の全員が、確信しただろう。だけど……これを、この時を待っていた……!
「私は、コマに続いて2を2枚出すよ!」
「えっ……あ、えと……すみませんパスです」
「あ、あら。そんな強いの隠してたのマコ?わたしもパスよ」
「やりますね姉さま。流石に、ジョーカー2枚は持っていませんので……パスします」
2はジョーカー以外で対抗する事は出来ない。すでにコマ、そしてカナカナが1枚ずつ場にジョーカーを出していたから……実質この私の2枚出しを止められる者は存在しない。全員がパスを選択し、手番は私からになる。
…………そして、私は自分の勝利を確信する。
「ふ、ふふふ……ふふふふふ……!」
「?どうなさいましたか姉さま?」
「……ようやく、ようやくこの時が来たね」
「「「え……」」」
「こっからは私のターン!5のカードを4枚出す!革命発動!」
「「「「んな……!?」」」」
満を持して。私は『革命』を宣言する。……『革命』って一体何かって?大富豪にはいくつかルールがあるのは説明したと思う。
これはそのルールの中でもよく知られているもの。大富豪では2枚、3枚と複数枚同じ数字のカードを場に出せるけど……同じ数字のカードを4枚出すと、それ以降カードの強さが逆転してしまう。これが『革命』だ。
つまり一番弱い3が最も強く、逆に一番強い2のカードが最も弱くなってしまうのである。
この私のとっておきの一撃に、勝利を確信して余裕だったコマたちは一転。青い顔を見せる。そりゃそうだ。勝てる強いカードを手札に残しておいただろうに。
私のこの『革命』で、その強いカードも一気に弱いカードに早変わりしてしまったのだから。
「さあ、じゃんじゃん行くよ!6のカードを3枚!」
「「「……パス」」」
「4のカードを3枚!」
「「「…………パス」」」
これまで快進撃を続けていたみんなも、誰一人として『革命』後は動くことが出来ない様子。これで私の残りの手札は2枚。そしてその2枚は……同じ数字のカードである。
ようやく、ようやく大貧民から抜け出せる……!そして、今まで大富豪だったコマは都落ち決定!コマの二枚脱ぎが見れる……!ふ、ふふふ……!散々私のストリップショーを楽しんだんだ。今度はコマの番だからね……!
「さあ、これで最後だ―――
3を、2枚出して私のあがりだよっ!」
「「「「…………」」」」
―――この時の私は。自分で革命しておいて、すっかり忘れていた。
カードの強さが逆転したせいで、一番強いカードに変わった3のカードであがったら……最初にコマがやった時と同様に反則負けになる事を。
◇ ◇ ◇
「…………しくしく」
勝てた勝負だったはずだった。それなのに……完全に失念していた。カードを出す順番さえもう少し考えていれば……勝てたのに。勝てると興奮しすぎて……やらかしちゃった……だから私はダメなんだよ……
「ああ、学園でそんな淫らで美しい姉さまを見れるなんて……私、感動です……!」
「きれい、綺麗よマコ……叶う事なら今すぐ抱きたいわ……」
「先輩、すごい……凄い……!大人だ……!大人の下着だ……!」
「わ、私より……マコさんおっきい……えっち……」
「……み、見ないで……そんなにじっくり見ないで皆……」
結局反則負けで大貧民になった私はルールに従い二枚脱ぐ。ここが更衣室だと思えば恥ずかしがる必要はない。そう自分に言い聞かせ、意を決してシャツとスカートを脱いで下着姿になった私。
女性だけしかいないとは言え。こんなに好奇の目でマジマジ見られながらデジカメやスマホで下着姿を撮られると、流石の私も恥ずかしくてしにたくなる。……ああもう……なんでこういう日に限って、コマから貰ったスケスケの勝負下着を履いてきたんだろうか私……あの、皆さん?その写真……絶対に、個人で楽しむだけにして頂戴ね……?
「も、もういいでしょ皆!?ほ、ほら!撮影するのはもうダメ!やめようね!」
「そ、そうですね。流石にそろそろ時間も時間ですものね……」
半泣きしながらも撮影会を中止させる私。……よくよく考えたら、コマやカナカナみたいな頭良くて勝負強い相手……しかも3対1での勝負は無謀にも程があった。
バカだよね私……こんな事なら冗談でもあんな罰ゲームを口にするんじゃなかったよ……
そうため息を吐きながら、脱ぎ捨てていた服に手をかけた―――その時だった。
「で、では―――次で最後ですか」
「…………ん?」
何故かカードをまとめつつ、山札をしっかりと切ってカードを配り始めるコマ。
「いよいよマコ、ラスト2枚ね。やれやれ……わたし、理性保つかしら」
「ど、ドキドキしちゃいますね……!」
「皆さん、頑張ってくださいね……!」
「……え?え?」
他のみんなも、帰る準備をするどころか。先ほど以上にやる気満々なご様子。あ、あの……皆?なにをなされているのでせうか……?
「ね、ねえコマ?それに皆?もう下校時間ギリギリなんだけど……」
「あ、はいそうですね。ですから早く―――ラストゲームを済ませませんとね」
「ラストゲーム……?は、はは……何言ってんのコマ?もう私、脱ぐ物なんて……」
「?マコこそ何言ってんのよ。脱ぐ物ならあるじゃないの。ブラと、ショーツがまだでしょう?」
「あ、あはははは……な、ナイスジョークカナカナ。…………ねえ、ジョークだよね?」
「マコ先輩!大丈夫!一思いに、二枚全部脱がせてあげますから!」
「マコさん。今日の学校の戸締りは先生が担当だから。ちょっとくらい遅くなっても問題ないですよ!」
「…………」
ええっと、これは……もしかしなくても……
「もしかして……全裸になるまで続ける、の……?この脱衣大富豪……?」
「「「「勿論」」」」
…………この後。決死の抵抗虚しく、全部剥かれました。
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