濃姫の野望

猫乃手借太

前置き

日本の中世の乱世、戦国時代。

その時代で最も名を馳せた小国の大名、織田信長。

彼を取り巻く周囲の人々は地位にかかわらず様々な逸話が世に知られている。


豊臣秀吉や徳川家康、柴田勝家や前田利家、女性陣に至るならば豊臣秀吉の正室である寧々や前田利家の正室である松など。

しかしその世に知られている人々が多い中、最も脚光を浴びてもよいはずのある人物についてはほとんど記録に残っていない。


それは織田信長の正室となった、美濃の国主斎藤道三の娘である帰蝶、後の濃姫である。

婚姻後すぐの若年での死亡説、同盟関係の破棄による本国送還の後の疎遠、本能寺の変で信長年を共にした、本能寺の変後も晩年まで長生きした、などなど多くの説があるがどれも信憑性に欠き正史と言えるものはない。


濃姫は一体どこからやって来てどのようにこの時代を生きて、そして今ある歴史をどのように作ったのか。

夫である織田信長との子供もなく、歴史に名を残すような行動が一切なかったのは何故なのか、そして彼が歩んだ数奇で奇跡的な運命とはいかにして作り出されたものなのか。

全ては我々が生きている歴史とはまるで違う道を進んだ、全く異なる世界の未来から戦国時代へとやってきた一人の少女によって始まる。

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