きみとわたしの住むこの狭い世界での出来ごと

@sorayonz

理由はあとからついてくるハズ

思えばこの数年間、よくもまぁ付き合ってこれたなと我ながら思う。

辛いことや理解に欠ける事があったら周りに何度も相談して、何度も

「別れた方がいいと思うよ」

というアドバイスをもらった。

実際のところ、何度も別れる話はしたし、数日間だけれど恋人じゃない期間もあった。けれど今はどうだろう。6年の歳月を経て、現在は大阪で二人暮らしの同棲生活をはじめるまでに至った。もちろん同棲してからも「別れよう」って話はした事もあるし、この先もあるかもしれない。でも少なからず最初の頃に話していた「別れよう」という状態よりかは大分マシにはなっている。ハズ。


私が年上で彼が年下。その差5歳。年齢なんて、社会に出てからだとあまり気にならなくはなるものだけれど、学生時代の尺度に変えるとおそろしいものがある。

私が高校1年だとすると、彼はまだ小学生。

完全にショタコン女と思われる(実際、彼の容姿は私よりも年上にみられる位なんだけれど)。

実際、付き合う事になる時もどうしようかと考えたものだった。

あの時の事を考えると互いに何故付き合ったのか未だに理由を思い出せない。

もしかしたら理由なんてなかったかもしれない。ただなんとなく、会話してみて、いいなと思ったから…でもきっかけなんてそんなものかもしれない。

あの時「好きです」と告白して「自分も」なんて返事を互いにしたけれど、今考えてみれば「いやまって。本当に好きだったのかお前?嘘ついてないか??」ってつっこみたくなるような事はてんこもりな訳だ。

だって、相手の事なんてまだ全然知らなかった。知っていたとしたら、ゲームが好きで映画(特にホラー)が好きで、関西人の学生くらい。性格も本名すらも知らないうちに告白に至ってる。これが若気の至りか。当時の事を彼にも聞いてみたりした。


Q,なんで好きになったんですか?

A,覚えてないし、多分思い出す事もできひん。なんで付き合ったんやろなぁ…


女性からしたらどう思うこの回答。

「えぇ…そこは確固たる理由ちょうだいよ…」なんて思ったりするか。私は若干落胆もあったけれど、実際「きみ、なんで付き合ったんだろうなぁ私と」とは思う。私もなんで彼が好きになったかよく分かってない…というと嘘になる。

私自体、その時はだいーぶ「アレ」な人だったから

『男性がこんなダメ人間の私と会話してくれるし、優しくしてくれた(気がする)=あぁもう私きっと両思いだ好きなんだ!!』

なんて考えていた覚えがある。今思えば若気の至りというよりか

「脳味噌がちょっと病んでいるアレな人につかまってしまった哀れな学生」

という構図が正しい気がする。その節は本当にすいません。

もし結婚する事になって「馴れ初めについて」のスライドショーなんてしてみたりしたら両家親族どんびきの嵐なのは容易に想像できる。それ以上に「私の生い立ち❤」なんていうスライドショーをした日には即日絶縁されそうなものだ。この辺の話はまた追々するとして…。


とりあえず、会話して二週間足らずでそのまま付き合う事になり、色々とある事になり、現在に至る。今ではそんなに珍しくないであろうネット恋愛からはじまったこの話。

私は東北でうまれ、神奈川は横浜で育った。彼は大阪でうまれ大阪で育った。5年先にうまれて、5年後にうまれた。

たくさんの「知らない事」と「通じない事」と「理解できない事」に遭遇しつつ、未だに付き合っている。今は「なんで付き合っているんだろう」と自分に思う事はほとんどなくなった。相手が「なんで私に付き合えるんだろう」と思う事は多々ある。でも「これでよかったんだろう、一緒にいれてよかったんだ」と思う事の方が多くなっている。最初はどうあれ、後がよければいいんだ。まだ終わってないけど。いい方向にはむかっている。そう信じたい。


遠距離、歳の差なんて今のご時世珍しくもなんともない。

ただ日本の関東と関西にいる二人の話。

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