落ちるゆめ
照らしますはヘッドライト
わたしは明と暗に引き裂かれます
遮断する黄色と黒が
そこでは三途の川であるということ
あなた向こうで泣き喚いてばかりいますが
喜んでいのちをつくるのに
いのちが消えるのは怖いのですね
どこの誰だか知りませんがね
摩擦係数
とか何とか ろくに理解もしない言葉が浮かんできたり
鉄塊は止まるすべもなく
空中に放り出されたわたしは
星々に追いつこうと必死に手を伸ばしますが
なんせ高さの足りないものですから
その辺りのビルに登った方がよかったかしら
それでいて瞼の重くなるのに安堵したり
落ちながら
金星と土星の戦争はどうなったんだとか
昨日のカレーに入れたナス あれは要らなかったかもしれないとか
教室に充満する制汗剤の匂いとか風に揺られるカーテン木漏れ日なんかを想起して
こんな時に限って
一体どれくらいの間
わたしは宙に在ったのでしょうか
一体どれくらいの間
わたしは星々に手を伸ばしていたでしょうか
ベッドの中で 落ちる ゆめ
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