極彩遊戯

野沢 響

【登場人物紹介】

【彩街の住人】

 ・琥珀こはく……家族と北海道旅行に来た際、七両の描いたフクロウの紅月に導かれて異世界の『彩街あやまち』へとやって来た少年。小学六年生の十二歳。

 常磐の勧めにより集合住宅で暮らす七両と共に生活を送る。最初は彩街での生活に不安を抱えていたが、徐々に街の住人たちと打ち解けていく。

 素直で穏やかな性格。紅月と仲がいい。趣味は絵を描くこと。


 ・七両しちりょう……彩街の住人。七両で染めたような紅い髪と目を持つ。琥珀を引き取り、面倒を見ている。口が悪く、ぶっきらぼうな言動を取るが、面倒見は良い。他人に指図されることを嫌い、彩街の秩序を守る仕事に就く青鈍あおにびかすみとは仲が悪い。二画にかくにある集合住宅で暮らしている。

 愛煙家でいつも煙管を吸っている。大きな筆を持ち、描いたもの(特に動物)を具現化する能力を持つ。また、そのような特技を生かして、街の中心地にある広場で見物客に演舞を見せて、生計を立てている。


 ・空……彩街の住人だが、琥珀と同じく人間の女性。街の中心地である一画から少し離れた四画よんかくで染物屋で染物師として働いている。

大人しく柔和な雰囲気の女性。ショートカットの髪型が特徴。

 乳児の頃に両親から捨てられ、施設で育つ。中学生の頃にいじめを受け、自分をいじめるクラスメイトの女子グループから逃げている途中に、彩街に迷い込む。それ以降、ずっとこの街で暮らしており、元の世界には一度も戻っていない。

 人間であるため、七両たちのような能力は持っていない。自分を引き取ってくれた染物屋の店主のとびを本当の父親のように思っている。


 ・常磐ときわ……彩街の住人。常磐色の髪と目を持つ。お団子の髪型が特徴。琥珀を七両と空に合わせた張本人であり、七両に琥珀を引き取るように話した。

 明るく好奇心が旺盛だが、気が強く男勝りな性格をしている(兄が二人、弟が一人いるため)。そのため、話し方も男性っぽい。人情味があり、困っている者を見ると放っておけない。

 一画いちかくにある酒屋の娘で、本人も大の酒好き。だが、決して酒は強くない。

 七両たちとは昔からの友人で、空とも仲がいい。

 色が付着した部分を石のように固めて動きを封じる能力を持つ。


 ・浅葱あさぎ……彩街の住人。一画に住んでいる。浅葱色の髪と目を持つ。落ち着いた物腰の柔らかい男性。いつも穏やかな言動を取り、滅多なことでは怒らない。みんなのお兄さん的存在。

 色を水のように操る能力を持つ。


 ・山吹やまぶき……彩街の住人。三画に住んでいる。山吹色の短髪と目を持つ。明るく情に厚い性格で、仲間と認めたものはどんなことがあっても守り抜く。その一方で、気が短く好戦的なところがある。

 男性にしては小柄。身軽であり、すばしっこい。大工の家系であり、自身も大工。

 七両と同じで青鈍と霞を嫌っている。

 色を三日月状の形に変化させ、切り付ける能力を持つ。


 ・とび……彩街の住人で、四画に住んでいる。鳶色の髪と髭、目を持つ。染物屋の染物師であり、彩街に迷い込んだ空を引き取る。空のことを実の娘のように思っている。

 七両たちからは「じいさん」や「じいちゃん」と呼ばれ、親しまれている。店内(または自宅)は度々、七両たちの溜まり場になる。 


 ・梔子くちなし……彩街の住人で、七両と同じ集合住宅に住んでいる女性。梔子色の髪と目を持つ。

 おっとりとしたマイペースな性格で、少々子供っぽい話し方をする。

 七両が仕事に出かけている時はよく琥珀を預かっている。

 二画にある茶屋で働いている。

 色を花びらのような形に変化させて、相手に幻覚を見せる能力を持つ。


 ・青鈍あおにび……彩街の住人で、街の治安を守る仕事に従事している。生真面目な性格で、秩序を乱す者を嫌う。そのため、七両を敵視しており常に彼の行動に目を光らせている。

 色を紐のように長く伸ばし自在に操る能力を持つ。

 

 ・かすみ……彩街の住人で、青鈍と同じ仕事に就いている。霞色の髪と目を持つ。青鈍の相棒であり、部下でもある。

 彼と同じく七両に頭を悩ませる。また、七両が琥珀の面倒を見ていることについて納得していない。

 玉状として出した色の形を変えて使用する能力を持つ。大体は槍のような鋭い形に変形する。


 ・猩々緋しょうじょうひ……彩街の住人で、一画の区画長。七両よりも更に濃い紅い色の髪と目を持つ。腰まで伸びたウェーブがかった長髪が特徴。

 七両を除いてみんなからは「ヒショウさん」と呼ばれている。

 敬語を使った話し方が特徴で、常に穏やかな女性。夢中になると、他のことを忘れてしまうところがある。

 色を氷のように凍らせる能力を持つ。


 ・うぐいす……彩街の住人で、街の街長。緑褐色の髪と目を持つ。幼い七両を引き取り、彼を育てた。そのため七両との絆は強い。楽天家で、いつも柔和な笑みを浮かべている老人。


 ・柑子こうじ……彩街の住人。青鈍たちと同じ建物内に勤めるが、仕事は異なる。街の住人の相談などに対応する部署に所属している。

 明るい性格で、しっかり者。細かいことを好まない。七両の良き理解者。

 柑子色の髪と目を持つ。

 

 ・露草つゆくさ……彩街の住人。医師であり、七両が捻挫をした際彼の診察を担当した。実直な性格の壮年の男性。七両以外の住人たちとも親しい様子。


 ・紫紺しこん……時々、七両たちの前に現れる謎の多い人物。彩街の住人であり、五画に住む。紫紺色の髪と目を持つ。僧侶のような恰好をしている。人間を嫌う。

 珊瑚とは何らかの関わりがあるらしく、彼女の行方を捜している。

 色をむちのように操る能力を持つ。


 ・珊瑚さんご……倒れたところを七両と琥珀に助けられた少女。彩街の住人だった父親と人間の母親との間に生まれた。そのため、能力のコントロールが出来ず、暴走してしまう。

 伸ばした色の中を自在に泳ぎ回る(移動する)能力を持つ。

 母親と同じく体が丈夫ではないため、すぐに体調を崩してしまう。

 珊瑚色の髪と人間と同じ形の耳を持つが、目は角膜が濃いピンク色、瞳孔が黒色になっている。肩にかかるくらいのストレートの髪型が特徴。


 ・ふじ……彩街の住人。琥珀や空と同じく人間の男性。三画で『十六夜堂』という筆屋の筆職人をしている。女郎花の夫。

 七両の壊れた筆を修理することになる。

 二十年前に彩街にやって来た。その際に、ニンゲンに対して偏見を持つ者たちから暴行を受けて倒れていたところを女郎花に助けられる。

 上記の理由から、ほとんど外に出ない。そのため、仕事の依頼がきても客の前に姿を見せないことで有名。

 七両よりも不愛想で警戒心が強い。年齢は四十代後半。

 

 ・女郎花おみなえし……彩街の住人。三画で『十六夜堂』という筆屋を営む。元々は彼女の両親の店だった。両親亡き後は、藤と切り盛りしている。藤の妻。

 落ち着いた性格で、しっかり者。

 倒れていた藤を介抱した際に彼と親しくなり、夫婦となった。彼が唯一、心を許せる人物である。

 客の前に出ない藤に変わって、接客を担当する。



【元の世界(琥珀が暮らしていた世界)の住人】

 琥珀の父親……会社員。琥珀が来年から中学生になるため北海道への家族旅行を計画した。明るい性格で、自分の欲望に忠実。旅行中はひたすら北海道の食べ物を堪能していた模様。

 

 琥珀の母親……パート勤務。北海道旅行は今回が初めて。


 琥珀の妹……名前はあん。琥珀より二歳年下で、小学四年生。琥珀より大人しい性格で、引っ込み思案。

 

 

 

 

 

 

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