三十路なのに魔法少女とかもう許してくれよ!
琴野 音
プロローグ 不屈のゲートキーパー
「ここから先は、通さないよ」
「女一人で何が出来るってんだぁ!? 俺様が誰だかわかって言ってるんだろうなぁ!!」
自分の身長の何倍もある漆黒の龍が唸る。その咆哮は地響きを生み、亀裂の入った高層ビルを崩落させた。
不思議と恐怖はなく、きっと駆けつけるであろう仲間を信じて【巌宝ガイアロッド】を横一文字に振るう。勇気が力になり、全身に大地の精霊が宿る。
「ヤンチャなトカゲちゃんには躾が必要みたいだな。いいぜ、神が認めたゲートキーパーの力。味わってみなよ」
「魔法少女如きが!! この闇の覇王ヴェイダル様の血肉にしてやる!!」
ヴェイダルが飛び上がると同時に、あたしは絶対防御のクリスタル【バトルフォーミュラ】を召喚して迎え撃った。
大都市を守る単騎防衛戦。実に丸一日の足止めに成功したあたしは、駆けつけた仲間と共に覇王の封印に成功した。
人々は後に語る。淡い色のスカートを翻し、勇猛果敢に立ち向かった大地の魔法少女【リトル☆プラム】こそ、勝利の女神だと。
これはもう、十八年も前の話である。
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