第511話 同士討ちだ

 挟み撃ちだ。

 考えている隙はない。


 ボクはもう一度、アリスに告げた。

「しっかり掴まってろよ~~!!」

 叫びながらビルの壁へ跳んだ。


「うっお~~!!」

 赤い蜘蛛らがどよめいた。


 ボクは、ほぼ90度に傾きながら忍者のように壁を駆け抜けていった。


 お陰で標的の無くなった赤い蜘蛛は同士討ちだ。






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