第191話:生体認証なのよ

「生体認証なのよ。ロックが掛かってるンじゃないの……」

 隣りのオバさんが気を利かせて教えてくれた。


「はぁ、どうも…😅💦💦」

 試しに、タッチパネルに手を添えた。

 ガチャッとカギが開いた。

「あら、開いたわ……」オバさんは驚いたようだ。


「では……」ボクは、再度、会釈し家の中へ入った。


 おそらくボクが、いつ帰ってきてもいいように、生体認証を登録したままなのだろう……

 家の中は懐かしい匂いだ……

 しかし嫌に薄暗い。


 ゴミが散乱していた。ひどい臭いだ……

 綺麗好きの母親にしては可笑しな光景だ。

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