第2色 黒
黒は白の正反対色だ。何もかも飲み込むような圧倒的存在感を常に放っている気がする。全ての色の終わりへと行きつく色。黒は終わりを連想させる。夜が暗いと落ち着く。夜という言葉の響きとその時間帯の黒が占める割合がとても心地よい。夜は黒くないと夜ではない。そこには当たり前の日常が影の如くずっとある。夜が暗いことであることが、日常であることの証左だと思う。
黒は重い色だ。でもその重厚感が白とはまた違った意味で安心するのだ。包み込むようなものではなく、どっしりとその場で構えているような感覚。黒いものを見ていると、些細な悩み事など他愛のないことのように思える。壮大だ。
結局黒色というのはほとんど全てのものに入っている。花鳥風月、森羅万象ありとあらゆるものに黒は見て取れる。必要としていないようで、黒がいないと成り立たない。作られるべくして作られた色なんだろう。
そして黒は終わりの色でもある。燃え散る時、一日の終わり、はては宇宙の果て。死。黒は怖い色だ。それでいて美しい。狂気的でもある。全てを飲み込む黒。不思議とそこに生を感じ取ることはないが、黒に晒された何かから生を感じ取ることができる。
何かを支えている圧倒的な存在。しかし、主張することはない。何かと共に在る時、黒はその真価を発揮するのだ。
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