リーディング
ABCDEF爺さん
プロローグ
プロローグ(上)
十五時頃、秋葉原駅ホームでの事である。
「はぁ・・・・・・。50個の限定フィギュアをゲット出来んかったぁ・・・・・・」
秋葉原で行われたイベントの帰り、精気まで口から出るような奈落の溜息とも言うべく低い唸りを上げ、さながら明日のジョーの最後の様にベンチに座る青年。
しかし、その顔にはやり遂げたという笑みは一切見られない。ただただ絶望している様子である。
「ドンマイ、ドンマイ♪ ドンマァーイケッル♪ ウチはほら、抽選に当選して手に入れちゃった」
そのイベントの限定商品を逃した青年を意気揚々と肩を叩いて、自慢げに慰みをかけるでらべっぴんな彼女。
「うっわぁ~自慢来ました~。何で普段の行いが悪い、お前さんが手にはいっちゃうかな?」
小さな舌打ちと共に空を見上げ天に居るであろう神に疑問を投げかける青年は、嫌味ったらしく大きい声で独り言の様に質問をする。
「う~ん。運が強いからかな?」
首を傾げてその疑問に答える数千年に1人かも知れないくらい可愛い彼女が、いたずらな笑みで答えた。
「あ、ほら、あの娘もウチと同じのもってる。いやぁ~運も才能のなんちゃちゃらってさ」
同じホームに居たフィギュアを持っている女の子を指差しつつ、落ち込む青年をイジる美人過ぎる麗人。
「んぁ」
しかし、事態は急変したのである。
対象の女の子が何者かに背中を押されて、ホームから線路に突き落とされたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます