第26話 新たな少女

 シーナを知っているらしき少女が二人現れる。

 一人は自信満々といったような銀色の髪に赤い瞳の少女で、もう一人はおどおどしたかのように、その後ろで控えているピンク色の髪に青い瞳の少女が様子を見ているのが見える。

 この人達は誰だろうと思っているとシーナが、


「ロゼッタに、セレン。どうしたの? こんな場所で」

「それはこちらの台詞よ。どうしてこんな所に? それに……平凡そうな男?を連れて。でもその服装、見たことがないわね。そんなおかしな格好をしているってことは、“異世界人”かしら」


 そう俺はロゼッタと呼ばれた同い年の少女に、平凡そうだのなんだの言われてしまう。

 だがそんなに変な格好だろうかと俺は自分の服装について確認する。

 ごく普通の学校の制服ではあるが、よくよく考えるとシーナも含めて二次元ファンタジーのような、俺たちの世界では“コスプレ”か何かをしているような格好である。


 そちらが主流になれば、おのずと俺の格好はおかしな格好になる。

 もう少し目立たない服装を後でシーナに教えてもらおうと俺が思っているとそこでロゼッタが、


「“異世界人”ね。私、異世界人と手合わせをするのが趣味なのよね。……相手をしてくれない?」

「ロ、ロゼッタ様、今はそれどころでは……」

「別に少しくらいなら大丈夫よ。“東の森”の武器は逃げたりしないわ」


 ロゼッタが自分をいさめようとしたセレンにそう答える。

 セレンは更に涙目になっているもそこでシーナが、


「奇遇ね。私達もそちらに用があるの」

「ふーん、でもシーナ、今度こそは貴方に勝利して見せるわ。今までの私とは一味違ってよ」

「そう」

「……その余裕はいつまでもつかしら。それでそこの“異世界人”、私と手合わせしてもらえるかしら」


 そういった瞬間俺の方にロゼッタが向かってくる。

 手には短剣を持っていて、俺は悲鳴を上げそうになりながら彼女を横に避ける。

 それからすぐに彼女の服を掴んで、そのまま彼女の勢いも使って床に転ぶように誘導した。


「きゃあああ」


 悲鳴を上げる時に彼女のスカートがめくれて、水色の縞パンが見えたがそちらに気を取られる余裕はなく、どうにか倒す。

 とりあえず俺の勝ちで良いのかと思っているとそこで、


「また負けた……今度はシーナのそばにいる“異世界人”に負けた」


 などと呻くように何度もつぶやいてそして、


「次は、“東の森”で勝負よ」


 そう言って、彼女はゆらりと立ち上がったのだった。



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