第242話「カタン」
【注意書き】
今回の話はいつもより長めです。約いつもの倍以上の文字数があるので読む時はご注意ください。
また、カタンのルールですが作者がうろ覚えなのと地元ルールが混ざっているので、細かいミスや矛盾があるかもしれませんがご了承いただければと思います。
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「フムフム、なるほどだわ! このルールブックによると、プレイヤーはそれぞれ好きな色の駒を使用するのね。じゃあ、私はこの『赤い駒』を使うわ!」
「なら、ママは『黄色の駒』にしようかしら? ウフフ♪ パパは『青』と『緑』があるけどどっちがいい?」
「……っ!」
(パパは青がいいな!)
「そう言うと思ってたわ。はい『緑の駒』よ♪ パパって本当に緑が好きよねぇ~?」
「…………」
(まぁ、いいか……)
「じゃあ、安藤くんは『青い駒』ね♪」
「あ、うん……。ありがとう、朝倉さん」
(お父さんが不憫だ……)
「それで、次はこのボード上のマスに順番で自分の駒を置いて、置いたマスを自分の土地にできるのね」
「後はターン製でサイコロを二つ振って、出た目に割り振られている数字のマスを土地にしているプレイヤーがマスに書かれている資源を入手できると……」
「あらあら、なんだか難しそうなルールね~?」
「とりあえず……やれ」
(パパも良く分からないけど、とりあえず皆でやってみようよ♪)
「「そうね、パパ♪」」
「…………」
(ふむふむ……なるほど、必勝法は――)
数十分後
「私のターンよ! ふんにゅ! サイコロの目は6と1だから『7』のマスの資源が手に入るわ!」
(フフン! これで私の手持ちの資源は『土』が七枚に『木』が八枚! って……これじゃあまた『道』しか作れないじゃないのよぉおおおおお!
もう!『鉄』の資源が無いとポイントになる『家』とか『街』が作れないじゃないのよぉおお!)
「『7』のマスか……よし、俺は『鉄』と『羊』と『麦』の資源をゲットだね」
「あらあら~、ママも『木』二枚と『羊』さんをもらえるのね? ウフフ♪」
「…………」 ゴゴゴゴッ!
(パパは『7』のマスに駒が無いから収穫なしだよぉ……) ショボーン
「ふ、フフン……なるほどね。これだけの資源があれば、完璧な手札だわ!」
(ど、どうしましょう……。これだと資源を使っても『道』しか作れないじゃないのよ! 『道』は作ってもポイントにならないから、これに資源を使うくらいなら溜めておいて『家』や『街』に資源を使いたいけどそれには『鉄』の資源が足りないし……もぉおおおう! 何で私だってサイコロで『12』か『2』が出れば『鉄』の資源が手に入るのにぃ~!
こうなったら――)
「あ、安藤くん♪ 何か欲しい資源はないかしら……? ちょうど、私の資源で『木』や『土』が少し余っているから、もし安藤くんがいらない資源が……そう! 例えば『鉄』とかね? あれば資源を交換してあげないこともないわよ?」
(そう、こうなったら『交渉』よ! このカタンってゲームはプレイヤー間での資源の交渉が出来るゲーム! 例え、資源が手に入らなくても交渉して足りない資源を――)
「朝倉さん、ありがとう。でも、いらない資源もそんなに無いし大丈夫だよ♪」
「――え!? そ、そう……? でもね、安藤くん! 『木』とか『土』の資源って結構重要なのよ!? だって、この資源があれば『道』とか『道』や『道』も作れるし、あって損は無いと思うのよ! ね? ね?」
「いや、でも……今の時点でその資源って、俺的にはあまり重要じゃないんだよね。あれ? もしかして……朝倉さん、資源が無くて困っているの?」
「ッ!? そ、そんなわけないじゃない!」
「だよね? だって、さっき『完璧な手札だわ!』って、言ってたもんね♪」
「そ、そうよ……。アハハ~」
(し、失敗したわ……)
「でも、朝倉さんがそこまで言ってくれるなら交換しようかな?」
「安藤くん! ほ、本当!?」
「うん、はい。俺からはこの二枚しか出せないけど、朝倉さんは好きなカードをくれればいいよ」
「ありがとう、安藤くん! じゃあ、私からは『木』と『土』の資源を一枚ずつあげるわね♪ それで、安藤くんのくれたカードは――」
(ひ『羊』と『麦』ぃ……って『鉄』の資源じゃないのぉおおおおおおおお!?)
「朝倉さん、ゴメンね? 鉄の資源は俺も不足してるんだ」
「アハハ……べ、別に問題ないわよ? だって、私が『いらない資源を交換してあげる』って言ったんだものね……? アハハ……」
(こうなったら、この手に入れた資源を使ってギャンブルカードに交換よ! フフン、カタンには決められた資源を使ってさまざまな効果がある『発展カード』をランダムに引くことが出来るのよ! さぁ、これが私の未来!
『学校一の美少女』が見せる! 完璧なドローよッ!)
引いたカード『街道建設』効果:資源を使わずに『道』を二つ作れる
「…………」 スカーン
「朝倉さん、ギャンブルカード引くの好きだよね?」
「あらあら~、じゃあ、次はママの番ね? あら~、えーと、サイコロの目は1と4だから……合計の目は『5』かしら?」
「『5』! 私の土地に『5』のマスは……あったわ! 手に入る資源は――き『木』と『土』ぃ……」
「俺は『鉄』と『麦』だね」
「あらあら、ママは『羊』さんと『土』の資源をもらえるのね」
「…………」 ゴゴゴゴッ!
(パパは何も無いや……) ショボーン
「じゃあ、ママも手に入った資源を使って発展カードを貰おうかしら? これでママの番は終了よ。ウフフ♪」
「時……は……キタ!」
(じゃあ、今度はパパの番だね♪ よぉーし、パパはここから大逆転しちゃうぞー! えーい! えーと、サイコロの目は……2と1だから『3』だね♪ やった! 『3』のマスならあるから、これでパパにも資源が手に入るよ! えーと、えーと、手に入る資源はは『木』と『土』が三枚だね!)
「えーと『3』のマスは……あったわ! 手に入る資源は――き『木』と『土』ぃ……」
「うーん、俺は自分の土地に『3』のマスがないから今回は何も無しだね」
「あらあら、ママは『麦』が一枚だけね」
「資源……使う……ありったけ……ッ!」 ズゴォゴォゴォ!
(よぉ~し! じゃあ、パパもそろそろ本気を出しちゃうぞぉー。まずはありったけの資源を使って『道』を三つ作るね♪)
「もう、パパってばそんな意味のない場所に『道』を三つも作ってどうするのよ? 『道』はいくら作ってもポイントにならないんだから、余った素材は交換するか他の素材を溜めて『家』か『街』を作る資源にしなきゃダメじゃない?」
「いや、朝倉さん。そうとも言えないみたいだよ……。だって、これでお父さんの『道』は『六個繋がった!』」
「え、安藤くん。それはどう言うことかしら?」
「キサマ……気付いた……な?」
(え!? 安藤くんってば、パパが何をしようとしているのか分かっちゃうの!? うわぁー、すごぉーい! でも、パパだって止まらないし、このままやらせてもらうよ♪
娘が言ったように『道』だけではポイントにならないけど、このルールブックには『ある条件』を達成したプレイヤーにはボーナスポイントがもらえるって書いてあるんだ♪
それがこの『最長交易路カード』だよ!
これはマップ上で『道』を五つ以上繋げたプレイヤーが現れた場合『もっとも多くの道を繋げたプレイヤー』がもらえる特別なカードで、これをもっているプレイヤーには『2点』があたえられるんだって!)
「これで……ターンエンド」
「じゃあ、次は俺の番ですね。サイコロの目は2と4で『6』です」
「私は『木』の資源が一枚もらえるわね」
「あらあら、ママは『土』が二枚だわ。ウフフ♪」
「…………」 ゴゴゴゴッ!
(パパは何も無いや……) ショボーン
「じゃあ、俺は『鉄』が二枚と『土』が一枚に『羊』が二枚と……」
(さて、たしかカタンの勝利条件は自分の土地に家や街を作って『10点』を先に稼いだ人が勝ちだったな……。現状の点数は朝倉さんが『2点』で、お母さんが『3点』に、お父さんが『3点』で、俺が『5点』か……。
勝ったな! 実は俺、カタンならやったことあるんだね。だから、ある程度の勝ち方というのも当然知っている……。
カタンは土地を広げて都市を作りポイントを稼ぐゲーム!
家や街を作ればポイントが溜まるが、それには資源がいる。だから、プレイヤーは道を作り自分の土地を広げてより多くの資源を手に入れなければいけない。
そして、道を作るにも、家や街を作るにも決められた『資源』が必要になる。
カタンはこの資源がゲームのキモだ。マップを良く見れば分かるんだけど、実はこのマップ……『鉄』の資源がかなり手に入りづらい。なぜなら、鉄の資源が手に入るマスの目は数字が極端に低いか高いのだ。カタンは取れる資源を二つのサイコロを振ってその出た目を足した数が資源の手に入る『マス目』になるが……
では、ここで考えてみよう?
二つのサイコロを振って、出た目を足す場合、どっちの数字が出やすいかな?
『2』
『8』
答えは当然『8』だ。なぜなら、サイコロを振って出た目が『2』になるパターンは両方のサイコロが二つとも『1』の時だけだ。それに対し『8』になる可能性は二つのサイコロが『2と6』または『4と4』と二種類以上のパターンがある。
だから、この場合は『8』のマスは期待値が高いし、逆に『2』や『12』などの極端に数字が低いか高い目のマスはその資源がでる期待値が低いのだ。
このゲームは『鉄』の資源だけが入手しづらく設定してある。そして、このゲームにおいて『鉄』の資源は建てると点数になる『家』や『街』を作るのに必須の資源となっているが……そこで俺は一つのある作戦を考えた。
じゃあ『鉄』の資源を独占しちゃえばいいんじゃね?)
「うーん、貴重な『鉄』が入ったけどどうしようかな……。よし、ここはまだ資源を溜めたいから俺はこれで朝倉さんにターンを渡すよ」
「そう? じゃあ、次は私の番ね! てりゃー!」
(と言うわけで、このゲームの開始時、俺は『鉄』の資源が出る期待値の高いマス目をあらかじめ自分の土地に選んだのだ。そして、他の期待値が高い『鉄』の資源が出るマスも道を作って他のプレイヤーが入ってこないように封鎖し、残った『鉄』の資源が出るマスはどれも期待値が低いマス目ばかりと言う状況をつくり、ひそかに『鉄』の資源を独占するというプレイに成功したのである。
因みに、今の俺の
「出た目は『4と5』だから……マス目は『9』ね! じゃあ、私は『羊』が一枚と『麦』が二枚ゲットだわ!」
「俺は『鉄』が一枚だね」
「あらあら、ママは『木』と『土』が二枚づつだわ」
「…………」 ゴゴゴゴッ!
(パパは何も無いや……) ショボーン
(よし、そろそろ『鉄』以外の資源をデフレさせるか)
(うぅ~、また『鉄』の資源が足りないわ……。でも、安藤くんが『鉄』を持っているみたいだし、もしかしたら交渉でくれるかしら?)
「あ、安藤くん、よかったら……私の『羊』と『麦』の資源を『鉄』と交換してくれないかしら……?」
「うん、いいよ。朝倉さん」
「本当! 安藤くん、ありが――」
「じゃあ『羊』と『麦』の二枚と『鉄』一枚の交換でいいかな?」
「――へ? に、二枚じゃないの……?」
「朝倉さん、ゴメンね? これでも『鉄』の資源って貴重だから……」
「そ、そうよね! うーん……分かったわ! じゃあ、それでお願いするわ」
現在のレート 『鉄』一枚=『羊』一枚+『麦』一枚
「まいどあり~♪」
「安藤くんって、そんな陽気な声出したかしら!?」
(朝倉さん、ゴメンね……。悲しいけど、これって
「むむむ……じゃあ、私はこのさっき引いた発展カード『勝利点』を使ってターンを終了するわ!」
発展カード『勝利点』効果:このカードを『1点』として扱う
朝倉さんの現在の点数 2点 → 3点 スカーン! ←点数が上がった音です
「我の……ターン……」 ゴゴゴゴ!
(えーと、パパのサイコロは『1と2』だから『3』だね♪ やった! やっとパパにも資源が手に入るよ! マス目は3だから、『木』と『土』が三枚もゲットだよ!)
「えーと、私は……『木』と『土』が一枚ずつね……」
「俺は『3』のマスは何も無いね」
「あらあら、ママは『麦』が一枚だけね。ウフフ♪」
「…………」 ゴゴゴゴッ!
(うーん、でもどぉしようかなぁ~? パパの
「出すもん……出せ……」
「ヒィ……ッ!」
(安藤くん、パパの『木』と『土』の資源を『鉄』の資源二枚と交換してくれないかな♪)
(イカンイカン……お父さんの見た目に騙されるな……。落ち着け安藤、冷静になるんだ……お父さんと会話する時は心の目を開くんだ……よし!)
「お父さん、すみません。今は『鉄』の資源が貴重なので……出せる枚数は一枚ですけどいいですか?」
「なん……だと?」 ゴゴゴゴッ!
(ちぃぇ~、やっぱり『鉄』の資源二枚はダメかぁ~。ならしょうがないね♪ 安藤くん、パパの『木』と『土』の資源二枚と安藤くんの『鉄』一枚交換しようか♪)
「あ、お父さん、すみません。それで交換するなら、レートは『鉄』の資源一枚に対し『木』と『土』の資源四枚ずつの計八枚との交換になります」
現在のレート 『鉄』一枚=『木』四枚+『土』四枚
「なん……だと!?」 ゴゴゴゴッ!
(えっぇえええええええー!? ああ、安藤くん、それはないよぉー! だって、娘との交換では『鉄』一枚に他の資源二枚の交換だったじゃん!)
「いや、それは『木』と『土』以外の資源だったので……それに今の
「そん……な……」
(ふぇぇーん、安藤くん、そこをなんとかしてよぉ……)
「……まぁ、でも、俺とお父さんの仲ですから、そうですねぇ~、よし! 今ならサービスで『木』と『土』の資源四枚ずつに対し『鉄』の資源をプラス一枚して、合計二枚出します!」
「……っ!?」
(安藤くん、ホント! やったー! じゃあ、それで交換しようよ~♪)
「まいどありぃ~♪」
現在のレート 『鉄』二枚=『木』四枚+『土』四枚
「あらあら……ウフフ♪
じゃあ、次はママの番ね? えい♪ あら、出た目は『1と4』だから『5』ね」
「私の土地には……あったわ! 手に入る資源は『木』と『土』だわ……」
「あらあら、ママは『羊』さんと『土』の資源をもらえるのね」
「俺は『鉄』と『麦』だね」
「…………」 ゴゴゴゴッ!
(パパは何も無いや……) ショボーン
(ふぅ、これで俺の手札は『鉄』六枚『土』六枚『木』五枚『羊』三枚『麦』三枚か……ここまで資源を溜めたら次の俺の番で一気に『街』二つと『家』を作って合計10点でアガリに――)
「あらあら……安藤くんったら、少しおいたがすぎるんじゃないかしら……ウフフ♪」
「ッ!? お、お母さん……何のことですか?」
「あらあら……安藤くんは惚けるのかしら~? ウフフ♪」
「さ、さぁ……俺は何のことか分かりませんねぇ……」
(や、ヤバイ……まさか、朝倉さんのお母さん俺が鉄を独占しているのに気付いているのか?)
(ウフフ……♪)
「ママは何を言っているの?」 スカーン
「……?」
(ママは何を言っているんだろう?)
「そう、安藤くんが分からないなら……そろそろママも動いていいかしらね?
じゃあ、ママは温存していた発展カードをここで使わせてもらうわね……。
まずはこれからかしら♪」
発展カード『街道建設』効果:資源を使わずに『道』を二つ作れる
「これでママは『道』を新たに二つ作って……ハイ、ママの土地の『道』がこれで五個繋がったから、パパの持っている『最長交易路カード』はママが貰うわね♪」
『最長交易路カード』効果:もっとも多くの道を繋げたプレイヤーがもらえる特別なカード、これをもっているプレイヤーには『2点』があたえられる
「え、何で!? ママが『道』を五個繋げても、パパは『道』が六個あるから、パパの方が『道』は多いんじゃないの?」
「朝倉さん、それは違うんだよ。なぜなら『最長交易路カード』はもっとも多くの道を『繋げた』プレイヤーがもらえるカード……そして、お母さんが道を置いた場所を良く見てごらん?」
「これは……あ! パパの『道』が途中でママの新しく作った『道』で分断されちゃっているわ!」
「あらあら……うっかりしちゃったわ♪」
「……そう、このお母さんの『うっかり』により、お父さんの作った道は『繋がらなく』なってしまった。よって、現在一番長く道を繋いでいるのはお母さんなんだよ」
(やられた……っ! もしかして、朝倉さんのお母さんは最初からこれを狙っていたのか!? 確かにこの配置、資源が『木』と『土』しか手に入らないお父さんが『最長交易路カード』を狙おうとしたらお母さんの土地のマップをまたいで道を作ることになる。お母さんはそれを見越してわざとお父さんに『最長交易路カード』を持たせたんだ!
後で自分が道を分断して『最長交易路カード』の点数を横取りする為に……)
「あらあら、ウフフ♪」
「…………」
(え、パパに一体何が起こったの……?) ポカーン
朝倉ママ、現在の点数 3点 → 5点
朝倉パパ、現在の点数 3点 → 1点
「あらあら……じゃあ、次はこの発展カードを使おうかしら?」
発展カード『独占』効果:好きな資源を一つ宣言する。他のプレイヤーはその資源を全てこのカードのプレイヤーに渡す
「宣言する資源は……『鉄』かしら♪ ねぇ、安藤くん……持っているんでしょう? ウフフ♪」
「なっ!?」
(まさか、そんなカードを朝倉さんのお母さんが隠し持っていたとは! ま、まさか……お母さんは全てを分かっていた上で俺を泳がしていたのか! 考えてみればお母さんの動きは不自然だった……このゲーム、点数を稼ぐ為には『家』や『街』を作るしかない。なのに、お母さんだけは最初からそれらの施設を作るのに必須な『鉄』の資源を集めようともしていなかった……そう、思い出せばお母さんは発展カードばかりを引いていた。あれはルールが良く分からないからかと思っていたが違う!
お母さんはこのゲームが始まる前にランダムに入っている発展カードの種類を確認してあのカードがあるのをあらかじめ知っていたんだ! それで、俺がマップの場所取りから『鉄』の独占をするのに気が付きあえて『鉄』の資源をあきらめた!
そう、全てはあのカードであふれた『鉄』の資源を回収するため!)
「皆? ママにもっている『鉄』をくれるかしら? ウフフ♪」
「……くっ!」
「せっかく、安藤くんから交換してもらった『鉄』が!?」
「……っ!?」
(パパの資源を全てなげうって交換してもらった『鉄』が!?)
「あらあら……『鉄』はあつまったけど、これだと『街』を作るのにまだ資源が足りないわね……。じゃあ、これも使いましょうか?」
発展カード『収穫』効果:好きな資源を二つ手札に加える
「これで『麦』と『羊』さんをくわえて……はい、ママは『街』を二つ作るわね♪」
朝倉ママ、現在の点数 5点 → 9点
(ヤバイ! これであと『1点』で朝倉さんのお母さんの勝利が決まる! ん? よく見るとまだ使ってない発展カードが一枚……って、まさか!?)
「あらあら……私ったらカードを一枚使い忘れてたわ。じゃあ、このカードを使ってお仕舞いね♪」
発展カード『勝利点』効果:このカードを『1点』として扱う
朝倉ママの点数 9点 → 10点
「これでママの勝ちね? ウフフ♪」
(朝倉さんのお母さん……ただものじゃないだろ)
「安藤くん……ちょっと、いいかしら?」
「何かな? 朝倉さぁ―ん……?」
「ウフフ♪ 安藤くんってば……言ってた割にはずいぶんと『鉄』を持っていたみたいだけど……私の部屋で説明してもらおうかしら……?」 スカンッ! ← 安藤くんがヘッドロックされた音
「あ! このヘッドロック懐かしいね! も、もしかして……朝倉さん怒っている?」
「あらあら……何で私が怒るのかしら……? ねぇ、安藤くん……」 ギチギチ!
「アタタタ! わかった! 朝倉さん! 謝るから! 謝るから、まずはこのヘッドロックを――」
「あらあら……二人とも~♪ お部屋では静かにするのよぉ~? ウフフ♪」
最終結果
朝倉ママ 10点
安藤くん 5点
朝倉さん 2点
朝倉パパ 1点
「…………」
(パパ……1点だけかぁ……) ショボーン
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪
皆、知ってた? MF文庫Jのメルマガだと『何故かの』の試し読みが公開されているらしいわよ?」
「なお、試し読みなのに文章は載ってない模様……」
「安藤くん!? なんで貴方が次回予告の世界に入門してきているのよ! ここは私の世界なんだから出ていきなさい!」
「やれやれだぜ……」
「さ、さーて、次回の『何故かの』は?」
次回「まだ未定」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【グー】
「皆のコメント、評価、待ってるわ♪」
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