第72話 抱きたいと想う…

 2ヶ月ぶりくらいだろうか…彼女と食事に行った。

「映画でも?」と思ったのだが…ただの食事になった。

 食事を終えて、彼女を事務所へ送る。

 15分ほど、彼女を抱きしめて…口づけを交わす。

「行かないと…」

「抱きたいよ…」

「そうなるんだ…」

 彼女が呟く。

 そう…僕が彼女に逢うことを躊躇うのは…抱きたくなるから…それは叶わぬことを知っているから…。


 お金が欲しい…。

 好きが解らない…愛も恋も解らない…。


 ただ欲しかっただけ…心が…身体が…彼女が…。

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