第48話 僕は…

 何をしているのだろう…。

 フリーライターとして…ラブホの清掃員として…それは、どこまで行ってもアルバイトに過ぎない。


 自分の生活の基盤が、あまりにも脆弱で…フラフラとユラユラと…。

 それは、いつか彼女といった明け方の海岸、彼女の指先で揺れていた線香花火のような儚さで…でも、僕の人生は花火ほど美しも無く…。


 深夜の空に、飛行機の光が見えた。

 数年前には、アレに乗って中国や韓国を回って仕事をしていた…。

 今の僕は見下ろす側ではない…見上げるだけ。

 空も…彼女も…行くことも触れることも叶わぬ今が…。


                          第一幕 完

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