第32話 叫びたい僕へ…

「僕の他の男に抱かれないでくれ」

「僕の傍にいてくれ」

「お金は無いけど、一緒に働いて生きていこう」


 僕…僕…貧乏な僕…。


 悲しいくらいの現実が、僕の心に溜まっていく、澱んだ想いが沈んで…沈殿していく黒い塊…それは僕の邪な心の塊。


 残った上澄みは…邪な僕を取り除かれ残ったものは?


 それは、恋を取り除かれた愛。

 彼女のことだけを想い、募った愛。


 だけど言葉にできない…響かない言葉、音…。


 伝えたい想いは、言葉にならない。

 だから…叫ばない…叫べない!!

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