第24話 取り残されしもの
ガードレールの下に、一匹の熊のマスコット
上着を着て、真っ白の顔
ちょっと汚れてるけど、まだ白い。
誰かが落としたんだと思う。
手にはとらなかった。
今頃、悲しんでいる人がいるのだろうかと思って。
人に踏まれ、自転車に跳ねられ、車の車輪に踏みしだかれ、ボロボロになっていくのだろうか。
そう思ったけれど、手にはとらなかった。
ひどい?
残酷?
でも、そうじゃないはず。
心ある人ならば、きっと探しに来て、見つけてくれるはず。
そう思う。
そのままにしておくことで、持ち主が見つけてくれるはず。
そう思う。
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