第20話 歩く
とぼとぼと歩く。
のんびりと歩く。
急いで歩く。
決して走らない。
歩き続ける。
それって、大切かも。
立ち止まって、周りを見回すのもいい。
道があるのか、歩けるようなところなのか、よく見て次の一歩を踏み出す。
逡巡してしまうと、一歩が出ない。
あまり考えないほうがいい。
あまり見ないほうがいい。
足元の確かさを感じながら、一歩一歩踏みしめて行く。
そうすれば、また違った景色に出会える。
違った人を見る。
話さなくてもいい。
人に出会えることはなんとなく楽しい。
お互い知らん顔しながら、でもそこに誰かがいることを感じている。
それがいい。
多くは望まない。
今はそれが嬉しいのだから。
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