彼岸花

狂い咲く紅い華

鼻腔をくすぐる甘美な薫

真紅の薔薇を彷彿させる

錆びた鉄の匂い

くらくらと眩暈さえ起こさせる

濃密な薫

真紅の月の褥で貴方は眠る

貴方の白い肌を飾る

薔薇色の液体

殺人的な対比に劣情を煽られる

貴方の肌とこの壁に咲く

赤い彼岸華

夜目にもわかる凶悪な存在感

非現実的な現実で

凍った心に巣食う

地獄の業火を原動力に

狂った獣の本能で

貴方のすべてを喰らい尽くす

一片の骨の一滴の血も零さずに

くるくるくるくる

回る彼岸華

くるくるくるくる

回る風車

すべては闇に浮かぶ

赤い風車が見せた幻想

この心にある

狂った劣情を映して

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