ビー玉拾い

君は静かに涙を流しながら言った

「ここにあったものがなくなった とても大切なものだったのに

何色がなくなったのかすら わからなくなった」


君は両手を広げ泣いていた

「護りたいのに この手から零れていってしまう」


転がっていってしまったビー玉を

一つ一つ拾い集めて

一緒になくさないように包んであげるよ

時間をかけて少しずつ少しずつ

君がもう一度立ち上がれるように


今は休んでいいんだよ

疲れたね

頑張ったね

ちょっと休もう

一緒に座って休もうよ

僕が包んでいてあげるから

君は泣いて眠って?

そして起きたらまた笑って

一緒にビー玉拾いをしようよ

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