○ 4月1日

 鍵をつけて、誰もフォローしておらず、誰にもフォローされていない場所で。

 日付が変わった瞬間に呟いた。



『死にたい』



 もちろん誰も見ないから、反応なんてひとつもこない。タイムラインの一番上に、3秒前の言葉が現れるだけ。



『助けて』


『怖い』


『辛い』


『苦しい』


『嫌だ』


『しんどい』


『嫌い』



 マイナスな言葉はひとつ、またひとつと増えていく。

 止められなかった。

 まるで取り憑かれでもしたみたいに、そんな言葉を私の指が生み出していく。

 画面すべてが言葉で埋まった頃、ようやく私はキーボードから指を離した。



 画面をスクロールさせて、数分の間に自分で生み出した言葉たちを眺めてみる。

 あはは……

 乾いた笑いを口の端に浮かべ、私は最後の言葉を打ち込んだ。



 あのね、日付が変わってからのたくさんの言葉はね。

 それはね、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部…………




『嘘、なんだよ』

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