かくれんぼ

「アダムゥ、どこにいったにゃ」


「これが、『かくれんぼ』という遊びですので、どこにいるかは教えません」


「そんにゃあ」


「だめなものはだめです」


「じゃあ、もういいにゃ」


「え、どうしたのでしょう」


「アダムしか話し相手がいにゃいのに、アダムがいないにゃんて寂しいにゃ」


「そう言われましたら、出て行きたくなりそうですけど……」


「出て来てほしいにゃ」


「もしかして、イヌくんの策略なのではと、疑っているのです」


「そんにゃ! ㅤひどいにゃ!」


「意外と賢い気もしますから、もう少し、頑張ってみてください」


「わかったにゃ……。一度目を閉じて、イメージするにゃ。その声のありかを、アダムの姿を……」


「そうしてください」


「だめにゃ。真っ暗なだけにゃ」


「それはそうでしょう。ですが、灯台下暗しという言葉があります。灯台の真下が暗いように、身近なところにワタクシがいることに、気づいていないだけかもしれません」


「暗いところにいるのにゃね。わかったにゃ! ㅤzzz……」


「真後ろにいますと、言えばよかったです」

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