バタフライエフェクト
幼女
「ママ~! 昔話して~♪」
ママ
「分かったわ幼女ちゃん。今日は『桃太郎』を話してあげるわね」
幼女
「わぁい! やったぁ!」
ママ
「昔々、あるところにお爺さんとお婆さん、そしてギャル男のマサオがいました……」
幼女
(早速余計なのが出てきた!!)
ママ
「お爺さんはしば刈りに、お婆さんとギャル男のマサオは川へ洗濯に行きました」
幼女
(なぁんでそんな迂闊な行動しちゃうかなお婆さん! お爺さんもギャル男とお婆さんを一緒にしない!!)
ママ
「お婆さんの死体が川の下流で発見されたのは、その二時間後のことでした……」
幼女
「すとぉぉぉぉぉっぷ!!!」
ママ
「あらあら、どうしたの幼女ちゃん?」
幼女
「それもうギャル男が犯人でしょ!? ってかギャル男はなんで出てきたの?」
ママ
「まぁ、それは早とちりよ幼女ちゃん。ネタバレになるけど実は犯人は鬼ヶ島の鬼なの。偶然この場所に来ていた鬼がお婆さんを殺しちゃったのね」
幼女
「ってかギャル男がいるからこういうことになるの!! バタフライエフェクトっていうんだよ! アタシ知ってるもん!」
ママ
「難しい言葉を知ってるのね幼女ちゃん。ママ嬉しいわ。でも勝手に人を犯人扱いするのはダメよ。ギャル男のマサオは白。これは純然たる事実よ」
幼女
「じゃあなんでギャル男は出てきたの!? 何役なの!? 一緒にお婆さんの敵を討ちにいく役!?」
ママ
「ギャル男は特に役はないわよ。この後も出てこないわ」
幼女
「じゃあ意味ないでしょ! なんで存在しているのこのギャル男!?」
ママ
「幼女ちゃん。いいこと、よぉくママの話を聞いて。存在しては駄目な人間なんていないの。ママも、幼女ちゃんも、もちろんギャル男のマサオシも。そこにいるだけで、生まれてきてくれただけで、とても素晴らしいことなのよ。だからそんなことを言ってはダメよ」
幼女
「そういう道徳的な話じゃなくて! ほんと何でちょくちょく出てくるのこのギャル男!?」
僕が気に入ってるからだよ終わり
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