過激派百合おじさん
助手
「教授! そろそろ貴方が長年追い求めたものの正体を教えて下さい!!!」
教授
「良いじゃろう……ワシが追い求めたもの。それは『過激派百合おじさん』じゃ!」
助手
「百合おじさん……百合おじさんならそこら辺に掃いて捨てるほどいるじゃあないですか!」
教授
「普通の百合おじさんではない。ワシが求める者は究極の存在、『過激派百合おじさん』なのじゃ。普通のおじさんと間違えるでないぞ」
助手
「なるほど……過激派ですか。ということは非常に危険な訳ですね! だから迫害されて必然的に数も減っていると!」
教授
「いや違う。『過激派百合おじさん』は決して人を傷つけない。それどころか自ら命を絶ってしまうんじゃ」
助手
「な、なんでそんなことをするんですか!? 死んだら百合を楽しめないじゃないですか!!」
教授
「もちろんじゃ。じゃが『過激派百合おじさん』はな、百合の可能性に満ちたこの世界に自分という異物が存在することが許せないんじゃ。例え天文学的数字でも、百合の障害となるならば消し去らなくてはならぬ。故に百合の幸せを夢見て死を選ぶ。それが『過激派百合おじさん』なのじゃ」
助手
「そんな、なんて儚い……」
教授
「そのために『百合おじさん』が『過激派百合おじさん』にレベルアップするほんの一瞬を狙って捕獲せねばならん。時期を逃すと死んでしまうからの」
助手
「たしかに、それなら長年追いかける理由も分かります」
教授
「ワシの命があるうちに捕まえられることが出来ればいいんだがのう」
助手
「ちなみに教授」
教授
「なんじゃ?」
助手
「その『過激派百合おじさん』を捕まえてどうするおつもりで?」
教授
「………………ワシが生きているうちに、捕まえることが出来ればいいんじゃがのう」(しみじみ
手段と目的が入れ替わってる終わり
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