詩集 空への伝言

瑠璃・深月

空への伝言

空への伝言

 

 空を仰いだ君の背中に 光が滲む

 僕たちはまだ終わりじゃない

 ゆっくりでも 少しでもいい

 君がその足で歩き出すのなら

 僕は君を支えるから


 大地についた両手よ

 星と君とを繋ぐ命に

 溢れ出る涙よ

 永遠を紡ぐ時の螺旋に


 繋いだ右手 そのぬくもりを信じるのなら

 僕たちはまだ走り出せる

 草原から吹来る風のように

 

 そして、どんなところでも

 世界で一番きれいな花を咲かせるように

 僕たちは育つ 

 ねえ、それはとてもゆっくりで

 決して目には見えないものなんだ 


 だから 足りなくても いびつでもいい

 君がその手を差し出すのなら

 僕はその手を 握り返そう

 

 やがて散ってゆく花も

 強く生き抜く草の根も

 僅かな光求めてその枝を

 空に広げる常緑樹も

 

 その生命が大地を巡り 君の元へ還りゆく


 今、きこえる

 その声が

 君に伝える

 空への伝言

 


 今、きこえる

 大地から

 伝えられた  

 空への伝言



 空への伝言

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