第2話裏切りの果て


源六達は村の精鋭部隊を連れて急いで音や悲鳴の方に向かった。


そして気付いた。敵なる者が隠れ家に向かっている事に。


「何故だ?隠れ家は儂と壮吉と兄弟達しか知らんはず。普通は、儂らを狙うはず。」


走りながら考えていた。


知っているのは少数、絶対漏れない源六の絶対の信頼持った者しか知らない場所。


何故源六達が目立つ所に居るのに避難民を狙うかを。


「お前ら!何が起こっているかわからん!しかも隠れ家がばれている!そして悲鳴!裏切り者が居るかもしれん!」



走りながら、村の戦闘部隊の精鋭陣はどよめいていた、隠れ家を知って居るのは源六の最も信頼してる者だは源六も混乱しながも、村人たちの無事を祈っていた。




源六達が走り続けていると離れた所に倒れている人達が見えた。


「お前らは警戒し、待機だ!」



警戒しながら源六は確認する為、倒れた人を確認しにいくと村人達が倒れていた。


「死んどる…糞がっ」


「こいつらは壮吉達の避難部隊と、女、子供達」


死んでる村人を見て怒りが込み上げてくる。



「壮吉がおらんどこにいるんだ?」


村人達に合掌して村人達と避難部隊を見て、ふと村人たちの傷が剣とかの切り傷ではない事に気付いた。


「なんだ?この傷は?」


傷を確かめてみると鉄小さな玉が何箇所か埋まっていた。


「なんだ?これは?」


「お前ら気をつけろ!敵は変な武器を使っている」


精鋭部隊の面々は警戒を強めた。


源六はこの事態の解明と敵の正体を探して、殺す事を仏となった村人に誓った。


「お前ら!早急に隠れ家に向かうぞ!」




その頃久二郎も音がなったと思う所に全力で疾走していた。



「一体なにが起きている?」


久二郎は走りながら考え、壮吉に追いつこうと走っていた。


(よく考えたら隠れ家知らんぞ…)


久二郎は少し阿呆というかネジが抜けているのだ。


(と、取り敢えず音がした方には向かうか)


(壮吉に追い付いて来い!と言われれた時に隠れ家の場所や方向を聞いて置けばよかったなぁ。)






音がなったと思う方向へと走り続けていると、


(あれは師匠と戦闘部隊だ)


久二郎は近づいて行くと、


「壮吉!無事だったか?」っと話し声が聞こえてきた。


修行した隠密術で少しづつ近づいて行くと、


「おう!源六!俺は無事だぞ!他の奴らは死んだがな。」


「どう言う事だ壮吉?!」


「あいからわず察しが悪いな源六!」


聞いていた精鋭部隊のひとりが言った。


「源六さん…裏切り者は壮吉さんです。」


「何をいってるのだ?!」


「本当にそういう所は駄目だな(笑)」


「源六!お前の為に全て話そう!そう俺が裏切り者だよ!因みに領主に仕えている。お前が勧誘断なければこんな事にならずに済んだかもな!くっくっくっ(笑)何故かって、と思ってるだろ?俺は武者修行の旅の時に色々と各地を廻っただろ?それでなずっと思ってんだ!俺達は普通に鍛冶で裕福にくらせたんじゃないかと思う事30年、もう俺も50だ!そんな時あるお方の隠密が俺に接触してきた、返り討ちしてやろうと思ったが、なにが目的が知る為聞くことにした。そしたら俺達全員優遇で迎えてくれるじゃいか!これはいいじゃないか!と思って村人達に話ししたら、どう言う事だ?皆、何故?拒否?反対する?いい暮らししたくないのか?と思ってな(笑)こいつらは馬鹿だ!死でしまえと思ったわけよわっはっはっ」



 その頃、隠れて聞いていた久二郎は混乱していた。壮吉さんなんで?どうしてと?あんなに楽しそうに村人達と暮らしていたのに。あれは演技なのか?と混乱しながら聞いていた。




 源六は壮吉のことばに対して。


「俺達は長年この村に住んで来た!初代様から受け継いできた刀鍛冶や戦闘術、長年、お陰で誰にも負けず平和に暮らせて感謝して住んできた!だから俺達は初代様を裏切れないんだよ!」


「そぉかぁそうなんだな、俺は移り住んできたからな〜そういうのは分からんのだ(笑)まぁ終わった事は終わりにして、最後に聞く…お前は俺の仕えてるお方に仕えるか?」


「俺は誰にも仕えん!自分を守り、家族、仲間、恋人、村人、村を守る掟に従いお前を殺す!」


源六は武術の構えをとって何時でも攻撃出来る状態だ!


「本当に熱い男だな!戦いたいけど、早急に帰還命令でてるんだよな!サクッと終わらせようか〜出てこーい!」


ザザっザザザザ


「源六!これは鉄砲っていうんだ!火縄銃とも言う、知ってるか?源六」


「知らん!それがどうした?」


「源六!もう刀じゃ戦いは継続出来んのだよ!」


「撃てーっ」壮吉が叫ぶとバーン!バーン!バッバーン!と連続して鳴り響いた!


久二郎は目を見開いた。何だこれはと固まったまま見ていた。


源六は振り返ると精鋭部隊の精鋭達は何も出来ずに息絶えていた。



源六は壮絶した精鋭部隊の精鋭が何も出来ずに死んだのだ、其処らの武士や剣豪にも立ち会えるはず者達がだ。


「いったろ!源六!刀や槍、弓の時代は終わったのだよ!」




「後残ったのは源六と久二郎とあきら達の避難民だ。久二郎は隠れ家の場所教えてないし、訳を話して何処かの領主の暗殺部隊に殺されたといって久二郎とあきらは連れて行くな!最後に源六!言い残す事はないか?」


「あきらは無事なのか?」


「あぁ無事だと思う?」


「何故疑問形なんだ?」


「この鉄砲隊が隊長俺とは別にいるんだが、その隊長が変わり者でな。あきらは可愛いからなぁ大丈夫かなって思ってな。」


「糞がっ!あきら!すまん!久二郎と一緒にさせるべきだったな。」


「さぁて死んでくれるかな?源六!今迄ありがとな!さよなら(T_T)/~~~(笑)」



「ただでは死なんぞ!秘奥義!爆砕土石拳ーっ」


地に向かって斜め後方から拳を打ち付けて衝撃で沢山の大きな土石を壮吉達鉄砲隊に飛ばした。


鉄砲隊達は源六に的を絞り、壮吉は合図を挙げる


「撃てーっ」


バーン!バッバッバッバーン!


沢山の銃声が鳴り響く!


ドカッーン!源六の土石と鉄の玉が炸衝突した!



鉄砲隊の半分近くは土石の衝突で息絶えていたが、


源六もかなりの重傷でだった。


武術の回避技のお陰で致命傷には至らなかったがやはり重傷だった。


「流石俺が認めた男だな?!」


「だが!二発目撃てーっ」


沈黙が鳴る。



久二郎が隠密術で気配を消し背後から刀で鉄砲隊を殺していたのだ。


「壮吉さん、何故です?何が駄目なんです?」


久二郎に気付いた源六が「久二郎来てしまったのか!」と言って、



「し、師匠!大丈夫ですか?」


久二郎は源六に近づいて源六に声をかけた。


久二郎が源六の心配する様子を見て、先程の久二郎の行動が鉄砲隊を全滅させた事が逞しく思い、嬉しくなり、


「わっはっはっ!壮吉!弟子にやられちまったな!鉄砲隊やらも近接では全然駄目だな!流石儂らの弟子だ!」


「し、師匠!無理せずに!」


「俺はもう助からん!久二郎、あきらを探して逃げろ!」


「師匠!?」


「こいつは、俺に任せろ!俺達の問題だ!死ぬ前に会えて嬉しいぞ!我が息子!」


「師匠!息子って?」


「お前に厳しくする為、偽ってきた。長男、光一の過ちを捨て、甘えさせない為、鬼となり育てて来た。お前の家名は九条だ……先祖代々の名だ。」


光一は自己過信し褒められて育った為、もっと褒められたい為、山で遭難し、熊に襲われ帰らぬ人であったらしい。俺の生まれる前の事らしい。


「お前の母は久二郎を産んでその後、逝ってしまった。良い女だった。名は明子だ。」


「久二郎……達者で生きろよ。」


源六は壮吉に顔を向け言った。


「壮吉!儂はお前を許さんぞ!」


「ふん!たわけが俺は死なんぞ!お前を殺して久二郎も殺す!」


源六は抜刀術の構えをとった。壮吉の得意な剣術だ。


源六も体が痛むのを我慢して武術の構えをとった。


「久二郎、行け!お前ならどこででもやっていける!死ぬなよ……。」


「し、師匠!……いや…と、父さん!」


源六は少し悲しそうに言った


「行け!久二郎!」 


「分かりました。父さん!今まで有り難う御座いました!」


 久二郎が走り出し時だった。久二郎に向かって壮吉が動いた。もし久二郎を逃せば危険だと感じ狙ったのだ。


抜刀の構えからの抜刀術。《瞬刀殺》かなりの速さであった、壮吉は技名を叫ばない男で一刀一殺で沈黙で殺すのが得意だった。


ガキーン!


「壮吉!やらせるかよ!」


源六の鉄の籠手で受け止めたが、


 怪我のせいで受け止めきれずよろけた、そしてそれを見のがさず壮吉は追い打ちをかける。源六も動こうとしたけど、鉄砲で打たれた傷でうごきが鈍く反応が遅れ右肩からの袈裟斬りで斬られた。


斬られたが幸い傷は浅く鍛えられた身体で持ち直し、源六は間合いに入った彦六に拳を動かす。


「轟鉄拳ーっ!!」


右手から淡い蒼色に覆われた拳を彦六の腹に向かって殴った!


彦六は、避けれないと察し刀を持ち直して受け止めようとしたけど間にあわず、腹部に拳がめり込み吹っ飛んだ。


源六は、追い打ちを掛けようとしたが、血を流し過ぎたせいでよろめき膝をついてしまった。


「糞がっ!怪我さえなければ……。」


やはり重傷のせいで身体が技に耐え切れなく、口から血が吹き出し、倒れてしまった。



倒れた壮吉も口から血が垂れ、左手で腹を押さえふらつきながら左手で口から出た血を腕で拭い、身体を起こし起き上がった。そしてふっ飛ばされても離さなかった刀を持ち直し、源六の方へと歩いていく。


「流石だな源六!効いたぜ!お前の拳!だが、終わりだ!さらばだ!」


うちぶせに倒れた源六に向って心臓に刀を刺した。


そして壮吉は、久二郎を探しに行った。





その頃、久二郎は必死にあきらを探していた。


先程の鉄砲の音がせず、人の気配が感じず、探すのに苦労していた。


敵の本陣を探すが、見つからない。撤退したらしい。そして遠くを見渡す為、高台に向かい敵の部隊とあきらを探していた。


「あきらーー!!聴こえたら返事しろぉー!敵の部隊もいない。撤退はやくないか?」


崖っ縁まで歩き、そしてあきらを探していると後ろから物音がし、振り返る。


兎だった。可愛い兎だった。ぴょんぴょんとこっちにやって来る。


「なんだ?兎かびっくりさせるな。食べちゃうぞ!」


そして、崖っぷちにいた久二郎は歩こうしたら身体が蹌踉めき、崖から落ちそうになる。


「わっ嘘だろぉ。兎助けろ!」


無理である。絶対無理である。なのに混乱している久二郎は、兎に助けを求めてしまったのである。


「うーさーぎぃーっ!」


叫ぶ、久二郎!


そして、兎は何故だが、久二郎の胸に向って突っ込んできた!


そして、体当たりされてしまった久二郎はそのまま態勢が直せずそのまま兎と完全に崖から落ちていった。

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