違和感

子供の頃、祖父に連れられて寄席を見に行った。大人になってからも鈴本演芸場に自分で行ったりもした。

そこにあったのは、創作落語と古典落語であり、どちらも面白い咄家には技術があった。


「手垢が付いている物こそ、『その人ならでは』を出さなきゃならない」

祖父はそう難しさを語った。


その影響があってか子供の頃から、「形式美」「様式美」に敬意があり、「ワンパターン」が悪口ではなかった。「ワンパターンな物こそ『その人ならでは』が難しい」と思っていたのである。


母親も俳句を作る時「古典俳句のような句を作って勝負は出来ない」と言っている。


カクヨムを読むようになって私が感じた違和感は「ワンパターン」を悪口として書いている人がいる事だ。


「誰もしていない事」と「誰かがしようとしたけれど、面白くないから止めた事」「誰かがやったけれど、面白くなかったから闇に葬られた事」とは違う。

まあ、人の考えは人それぞれ。

そう考えた人が面白い物を産み出すのかもしれないけど。


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