残月

瑠璃・深月

残月



 広い草原を抱く山脈の端に

 ひとつ

 昼間に残る月が照らされていた

 

 太陽の光にそれは薄く

 青空に溶けてしまいそうなほどにかすかであったが

 それは

 月であるが故の存在感を放って

 あたりに様々な、なげかけをはじめていた


 残り月は

 残月は銀の木を呼ぶ

 そういった言い伝えがそのまま残る草原

 一大都市はいま

 農業を基盤とした田園都市に成長していた

 いまだ地球という星の影響を受けて

 その力の拮抗にあえぐこの土地で

 ふたたび何かが起こり

 そして、それはすべての始まりを終結に導こうとしていた

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