そしてオタクはペンを買う
気づいたら冬になっていましたね。
僕はもうこたつから出ることは叶いません。春になったら起こしてください。
さて、今回は非常にヲタヲタしい万年筆の楽しみ方についてのお話です。
ですので、ヲタヲタしいお話が苦手な方にはお気をつけくださいましね。
女性向けゲームのお話になります。
この世にはオタクと呼ばれる人々がいます。
広義には「その界隈に異常に詳しい人」を指してオタクと言いますが、より一般的には二次元の創作物を好む人々が、一括してオタクと呼ばれます。
僕は後者、つまり二次元の創作物を好む類のオタクです。
特に現在は『刀剣から生まれた付喪神を集めて戦場に送り出すゲーム』にはまっています。
僕は物理的な日本刀もめっちゃ好きなのですが、その話はまた今度。
閑話休題。
そのゲームと万年筆がどう繋がるのか?
オタクの皆さんにはお馴染みとなっていますが、キャラグッズの中にはキャラのイラストではなく、イメージを顕したものが多々あります。
例えば、香水、バッグ、靴、時計などなど。グッズを普段使いしたい、女性向け商品に多いような気がします。
それと同じことを、自前でやってしまおう、というのです。
それも万年筆で。
さてさて、ここに取りいだしましたるは一本の『ほしくず』。
紺地に輝く粒が散る、まさに夜空のごとき軸を持つ万年筆であります。
この軸は『青貝微塵霞紋様』と呼ばれる拵えにとてもよく似ているです。拵えとは、非常にざっくり言うと刀の柄や鞘にあしらわれる装飾のことです。
青貝微塵霞紋様は、漆塗りに青貝の粉末を研ぎ出した、いわゆる螺鈿細工です。そしてこの拵えは、肥後細川家初代当主・細川忠興が考案した『歌仙拵え』をリスペクトしたデザインでもあるのです。
僕の推しであり、実在の打刀でもある歌仙兼定の拵えとして有名ですね。
歌仙拵えは鮫皮(エイ皮とも)に漆をかけて研ぎ出したものなので、青貝微塵霞文様よりもだいぶ落ち着いた、シックな仕上がりになっています。そしてそれがまた渋くて、かつ洒落ているのですよ。
歌仙拵え自体は、ほしくずとはあまり似ていません。
しかし、両者の間に青貝微塵霞文様が存在することによって、ほしくずと歌仙拵え、そして歌仙兼定が一本の系譜上にゆるくつながりを持つことになるのです。
と言いますか、僕が勝手にそういうことにしました。
こうしてここに、一本の見立てペンが誕生しました。僕は生まれ変わったほしくずさんのことを『歌仙さん』と呼んでいます。
いつでも懐に推しがいる。つらい職場にも推しがついてきてくれる。
いいですね。癒やされますね。
ちなみに現在、この歌仙さんですが、プロムナードのシャイニングレッドと首軸を入れ替えてあります。
金ペン化したかったのと、この一部分だけの赤が羽織裏の彩りを表しているようで、より歌仙兼定っぽくなると思いましたので。
プロムナードの方は『兼さん』って呼んでます。
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