第108話 人魚の姫さま憤怒!(2)
でもね? 僕の目の前にいる金髪碧眼の女神さまは、こんな様子の僕を許してくれる訳でもなく。憤怒、荒々しい口調で、ということはなく。
己の持つ美しい碧眼の瞳を潤ませながら。と、いうか? もう今にも泣きそうな表情で。
「何で~? 私(わたくし)の勇者であるあなたが。己の命を自ら絶つ、自害をしょうなどと……ではないですね。何故? 自害をして果てているのですか? 私(わたくし)の勇者であるあなたが……。これだと? 私(わたくし)自身が、家、一族の為にと恥を忍び、耐え忍んできた行為が全部無駄になる。と、いうよりも? もう少しのところで、全部無駄になるところだったのですよ……」と。
僕へと不満を呟いてきた、だけでは収まらないようだ。僕の目の前にいる美しい女神さまは、更に自身の艶やかな唇を開いて。
「私(わたくし)はあなたや一族の者達の為にと。自ら己の命を絶つ行為をやめて、耐え忍び、辱めを受け晒してきたと思っているのですか~? あなたは~? いい加減にしてください~。我が一族の勇者であるあなたが~。そんなにも心が弱いままだと。私(わたくし)の今迄の苦労が実りませんから~。しっかりしてください~。あなた~。あなたは~」と。
僕に泣きながら不満を漏らしてきたと思ったら。また『パチン!』だよ。
今度は二度目の平手打ちを僕の頬へと力強く撃ち込み──。張り手をしてきた。
だから僕は、「何故、貴女と言うか? 赤の他人の貴女が二度も僕の頬を訳もわからない台詞を漏らしながら叩くのですか?」と。荒々しい声色で女神さまへと訊ね、問いかけたのだ。
すると女神さまは、そのまま泣き崩れ、しな垂れ、僕へと抱きつき不満をまた呟くのだ。
「バカ、バカ、勇者のバカ……」とね。
でッ、その後女神さまは、僕が『えぇ、えええ~! うそ~!』と、驚愕、絶叫を吐くような台詞、言葉を泣き、甘えながら告げてくるのだった。
◇◇◇◇◇
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