第5話

夜、悪夢のせいで飛び起きることがあった。


捨てられて、彷徨って、大きな音がして、燃えて、焦げた匂いで鼻が痛い。


そんな夢。


そうして飛び起きるて、隣を見る。


彼の寝顔が見える。


彼も大切だった人がいたようだった。


隣で寝ている彼が、知らない名前呟いて涙が数滴目尻をつたうのを時々見た。


切なくなって、そっと服の端に手をのせていた。

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