第2話

初めて出会った頃の事を鮮明に覚えているわけじゃない。


どこでいつだったかも思い出せない。


その時私はお腹がすいていて、大切な

人に捨てられて、朦朧とした意識の中にいた。


彼は背が高かった。


私は背が低かった。


彼と私の視線が地面と平行になって、

彼の瞳の中に自分が写っていた。


彼を好きになった。


ほかの人はみんな顎が大きくて、私と目が逢う時は顔が影になっていた。


彼はいつも日が照っている様だった。

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