第9話
僕は憤上悦也(ふんがみえつや)と言います。
告白します。
真子さんを輪姦したのは、幹次くんのためではありません。
友達の空介くんに、僕と同じ趣味を持ってほしかったからです。
一番クラスで仲のいい、女友達を輪姦させて、ひどい目に遭わせる。
それは、空介くんの倫理観を殺すためでした。
実験は大成功です。
なのに、どうして空介くんは
「おじいさんを生きたまま、濃硫酸のドラム缶に放り込んでよ」
という僕の命令に、
「悦也、俺はもうこんなことはいやだ!」
なんて言うのでしょう。
「だってここは、真子が首を吊った場所じゃないか!」
そんなこと、もちろん、知っています。
空介くんが
真子さんがどうとか、そういう意味のないことを言ったり、
夜中にごめんごめんごめんと連呼して泣いたり、
悩まないで、
僕とたっぷり同じ趣味にひたれるようにと、この場所を選んだんですから。
でも空介くんは、いやだ!と言って、僕の顔を殴りました。
はあーーーーーっ。
空介くんもバカでした。
おかげで僕は空介くんを殺さなければならなくなってしまいました。
僕は友達を大事にします。
だから裏切り者は許しません、絶対に。
ドラム缶の中の濃硫酸に気をとられている空介くんの心臓に
ミニハンマーを打ち付けた時、僕はすっとしました。
ハンマーは幹次くんのカラダから取り出した弾丸でつくったものでした。
チンピラぶっていたけど、きっと人なんて一人だって殺したことのなかっただろう幹次
くん。
そんな幹次くんにも人が殺せるんだって教えてあげた気分でした。
僕はそのあと、
起きそうになってうめいているおじいさんをまずドラム缶に沈めようとしました。
でもおじいさんは重くて長くて固くて、うまく持ち上がりません。
バシッ
おばさんの顔を叩いて、「手伝え」と命令しました。
「手伝えば、お前は生かしてやる」
こんなの嘘です。
そのあと、女の人ならではの、いろんなことをしてから、最後に生きたまま、硫酸入りドラム缶に沈めます。
いろんなことというのは、とにかくいろんなことです。
電球を突っ込んで、お腹の上で、踏み台昇降運動をしたり、
自分の手で乳首を1ミリずつスライスさせたり。
それを食べさせたり。
「手伝え」
僕がもう一度、そう言うと、おばさんは空介くんの胸から、弾丸ハンマーを引き抜こうとしました。
「そっちの男じゃない。先にじじぃからだ」
僕がそう言った瞬間、おばさんは弾丸ハンマーを空介くんの胸から引き抜いて、それを僕の胸におもいっきり振り下ろしました。
その時、はじめておばさんの顔を見ました。
おばさんは、僕が初めて、人をいたぶるのは楽しいと思った女の子、真子さんにとても似ていました。
人が死ぬのは快感です。
悲惨な死に方ほど、快感を覚えます。
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