蝋燭

 さて、王道中の王道。いわばテンプレの道具の一つがこれでしょう。

 一般的にSMごっこで使用されるものは低温蝋燭といって、熱いとされるものでも蝋の融点は55度~60度くらいでしょうか。

 肌が弱いと赤くはなりますが、痕が残るような火傷をするほどのものではありません。

 一般的に見栄えのいい赤が使用されますが、他にも色々なカラーが存在します。ブラックライトを当てると発光するものまであり、もはややりたい放題です。かなり悩むと思いますが、経験上やはり赤が一番いいと思います。赤の有名どころでは「血飛沫」という物騒なものがありますが、最近は煤が混ざって黒っぽい色になってしまうので静脈血ですね(笑)


 その使い方ですが……91度以上に傾けていたりしませんか?

 芯が焼け落ちて本気の火傷になります。パチパチ音がしはじめたら、芯に蝋が供給されなくなり、燃え始めた証拠です。すぐに傾きを戻して下さい。真っ逆さまに傾けるとか論外なのでやめましょう。気持ちは分かりますけどね。

 あと、ゆっくり回転させながら垂らして下さい。片減りしてしまうと勿体ない上に、非常に使いにくいです。コストも大切な要素です。SM用は何かと高いです。


 あとは、そうですね。垂らす前にローションを塗るか塗らないか。これは賛否両論です。私は直肌が好みではありますが、あとで剥がすときにちょっと面倒です。

 ローションを塗ることで、熱さが多少マイルドになるので、慣れていないうちは一手間かけるのもいいかもしれません。


 あとはこれ、蝋燭遊びの最大の見せ場。それが「片付け」です。祭りの後の静けさ。わびさびを感じられる瞬間でもあります。

 それまでノリノリでやっていた二人が、チマチマと無言で落ちた蝋を拾うこの時が、私が最も好きな時間です。

 大体、ブルーシートなどで養生してからやるのですが、それでも飛び散る漢の汗と蝋の山。なぜか、とんでもない場所に飛んでいたりするんです。

 自宅であれば、一本鞭で叩き落とすという楽しくも破壊的な遊びが出来ますが、ホテルなどを使う場合はちゃんと片付けておかないと怒られます。

 あと、体に付いた蝋も丁寧に落とさないと、風呂場の排水口に詰まったりして大騒ぎです。それでも、取り切れないんですけどね。

 蝋燭で遊ぶ場合は時間に余裕を持ちましょう。片付けに結構な時間が掛かりますよ。


 これが、単体では遊びになりにくい蝋燭です。じっくりやると、意外と奥深いのですが、なにせ地味なので、つい余計な事をしたくなります。

 つまらないと思わず、ぜひじっくりやってみて下さい。これは、駆け引きの遊びです。緩急の付け方でいくらでも転がせます。

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