第28話 検査

これは調子が悪かった時のお話。



✳︎✳︎✳︎



「……ずっとお腹がゆるい状態なんですね。そしたら、超音波検査でお腹見ましょう。準備するので一旦待合室でお待ちください」

「はい」


なんだ"ちょうおんぱ"って? おいねぇちゃん、なんだ?



ここはたまに来る場所。"びょういん"とかいう所だ。

みんなは知ってるか?

ここは遊ぶ所だ。友達がいて、みんなでわいわいやるんだぜ。散歩中に会うカワイイとは違うやつらに会えるからな。ここに来ると、つい我を忘れて騒いじまう。

なぜかねぇちゃんは俺が騒ぐと恥ずかしそうだ。楽しい所で楽しんで、何か都合が悪いのか?



「準備できました。シロちゃんお預かりしますねー」

「お願いします」


おっ、おねえさんに抱っこされた! いえーい。なんだなんだ、遊ぶのか?


「……あ………て……の?」

「………はい。……ね」


(シロ、大丈夫かなぁ。診察室からの声、よく聞き取れないよ。何話してんだろ。心配……)


「飼い主さん、お入りください」


(呼ばれた! ってことはもしかしてなんかあった……?)


「失礼しま……え!?」



おうねぇちゃん! みてみてー!

台の上でお腹出したら、なんかぐりぐりされてるぞ! すげー褒められて参ったぜ! そうだねぇちゃん、この遊び家でもやろうぜ!!


「飼い主さん! シロちゃんしっぽ振って喜んでるんですよー!」


「え? あ、あははは……?」


(シロ、お前それは遊びじゃないよ。私の心配してた気持ちはどうしたら……。





でも、良かった)

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