番外編
皆で平成ジェネレーションズ FINAL見に行った
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このエピソードには『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL
ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』のネタバレを含みます。
ご注意ください。
なお、このエピソードを読んでも読まなくても、『
ご了承ください
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12月9日。AM9:00。
とあるシネマコンプレックスにて。
「ついに来たわね」
「待ちに待ったこの日」
「2017年12月9日……すなわち!!」
「「「平成ジェネレーションズ FINAL公開!!」」」
イエーイと
そんな嫁達を欠伸混じりに見る
「でもさ、
「まあ、それはそうなんだけどね」
「でも
「ねー。劇場を貸しきっちゃうなんてね」
「……最初に言っておく。貸切と言っても1ホールだけだ。それに隣りのホールでも、通常どおり仮面ライダーは公開されている」
「我々
「ったくガキじゃあるまいし。たかが映画で浮かれやがって」
「目の下に隈作りながら言っても、説得力無いよお兄ちゃん」
妹の
「
「……テンション高いですね。
「てか今はもう
「つーか誰よこの人呼んだの。大丈夫? 不安しかないんだけど」
「ははは。私は戦極凌馬ファンだが、檀黎斗神も好きでね。彼の台詞を少々拝借して、この湧き上がる気持ちを表現させてもらったよ」
高笑いをする
そんな
そして彼は
「おいおい
「……てめえは
「くくく。安心したまえ
「はいはいそこまでっ。これから楽しい映画を見ようっていうのに、そんな暗い話は無し無しっ!」
険悪ムードの
「それより皆、今のうちに飲み物とか買っておこ。何がいい?」
「「「私達コカコーラ、氷無しで!」」」
不穏な雰囲気を変えようとする
「俺も
「私はホットコーヒーを。社長もコーヒーですよね?」
「ああ」
他の者達もまた彼女の意図を理解し、それぞれ好みドリンクを所望した。
「オッケー! ほら、お兄ちゃんも一緒に来て。私1人じゃ絶対持ちきれないから」
「私も手伝います。……
「そうだな。ストレートティーをお願いしようか」
「分かりました。では行きましょう、
AM9:30。
しばらくすると3人は両手に大量の飲食物を抱えて戻ってきた。
「買ってきたよー。コーラ4つにコーヒー2つと紅茶。あ、オレンジジュースは私とお兄ちゃんの分ね」
「ポップコーンやフライドポテトなども買って来ました。皆様、好きなものをお選びください」
皆に飲み物を配る
「おや、
「っ!!」
そして
「安心しろ
袋を大事そうに抱えながら
「やあ待たせたね。……おや、どうしたのかな
「……そこまでにしておけ
「ところで
「映画のパンフレットだよ。もちろんDVD付きのね」
「へぇ。
「いや、私は映画を見終わった後に、自宅でゆっくり読む側の人間だよ。内容にネタバレがあると嫌だからね」
「だったら帰る時に買えばいいんじゃ……」
「少し前……超スーパーヒーロー大戦が上映されていた頃の話だ」
すると
「いつも私は、映画は公開初日に見ることにしていた。だがあの時期は仕事が忙しくて、なかなか見に行く機会が無かった。結局、見に行けたのは公開から1週間後だった」
その場にいた全員が、この男は何を言おうとしているのだろう、と思いながら彼の話を静かに聞いていた。
「1週間後という点を除けば、私はいつもどおりの行動を取ったさ。いつもどおり中央の席を指定し、いつもどおりポップコーンと飲み物を買い、いつもどおり映画を見た。そして映画が終われば、いつもどおりDVD付きパンフレットを買う……いや、買うはずだった、というべきだな。売店には『売り切れ。入荷の予定はありません』と書かれた札が貼られていたのだ」
「考えが甘かった。『たかが1週間』と私は思っていたが、世間では1週間は『もう1週間』だったのだ」
人差し指を天に掲げながら、1週間というワードをこれでもかというくらい強調する
「でも、それだったら――」
「それだったら通販サイトで買えばいい、そう言いたいのだろう
自分の言おうとした言葉を先読みされて、少し困惑する
「当然私は東映オンラインショップにアクセスしたさ! DVD付きパンフレットを買おうとしたさ! ……だがさっきも言ったように『もう』1週間経っていたのだ。オンラインショップでも売り切れだった。サポートセンターにいつ入荷するのか、問い合わせたが、返事は『入荷未定』だった」
興奮して喉が渇いたのか、
紅茶を飲んで少し落ち着いたのか、彼は呼吸を整える。
「それ以来私は決めた……どんなに忙しくても、たとえその日に映画を見る時間が無くても! DVD付きパンフレットは公開初日に買う、とね!」
ビシっとポーズを決めながら、今一度
「あー……おっさんの気持ちはよーく分かった。でもさ、まだ初日の、しかも1回目の上映開始前だぜ? そうそう売り切れることなんて……」
「
「?」
「答えは、『1冊でよろしいですか?』だ」
クイズの答えを聞いた
だがそれは
「クロックアップ」
「トライアル、マキシマムドライブ」
「高速化! 高速化! 高速化!」
次の瞬間、3人の
「草垣くん」
「お任せを」
「私も行ってくる! お兄ちゃんの分も買ってくるね!」
「いやいい、自分で買う」
そう言って、
「え、なに? 皆どうしたんだ?」
皆の突然の行動に戸惑う
「やれやれ……仕方ない
そんな
「いいかね? 店員の『1冊でよろしいですか?』。この言葉から、2冊以上買う客がいる、ここまでは理解できるかね?」
「俺を馬鹿にしてるのか、それくらい分かる」
「よろしい。では次だ。その客は、何故2冊以上、同じパンフレットを買うと思う?」
「そりゃあ……友達の分も買うとか?」
「くく、君は純粋だね。確かにそういう友達想いの客もいるだろう。……だが世の中そんなに優しくない」
「回りくどいな、もったいぶらずに言えよ、おっさん」
「おっさんはやめてくれ。いいだろう。率直に言おうか。2冊以上買う客、その客の真意は……」
「転売、だ」
「最近では、誰でも利用できるフリマアプリというものも普及した。アプリは確かに便利だが、そのおかげで転売する輩も増えた」
「
転売ヤーが喜ぶ、そう
「それで
「なにかな?」
「お前は買ったのか? 超スーパーヒーロー大戦のパンフレット、転売屋から」
「まさか。そんな愚かな行為、私のプライドが許さない。パンフは東映オンラインショップに入荷されたから、なんとか買えたさ。」
「そうか」
「さて、映画が始まる前に、飲み物を買い直すかな」
そう言って、
上映開始10分前。
係員のアナウンスにより、客達は劇場への入場を許可される。
乃々達も劇場に入る。
9人は薄暗い通路を歩き、ホールに入る。
ホールには彼ら以外誰もいない。貸切なのだから当然だが、少し不気味な雰囲気を醸し出している。
途中、誰がド真ん中に座るかで揉めたり。3人の
近日公開映画の予告や映画泥棒の踊りも終わる。
「ちなみに、上映中私達は何かしらのコメントやツッコミを言うけど……それはこれが小説だから可能なのであって、本来上映中の私語は厳禁だからね。グッドマナー、グッドシアターだよっ」
「突然どうしたんですか
「いやぁ、こういうメタ発言は死人の私が言うのがベストかなーって」
「ブラックジョーク過ぎますよ……」
東映映画おなじみの、波のシーンが終わり、いよいよ本編が始まる。
――ビルドのエグゼイド成分採取――
――ビルド&クローズVSネビュラバグスター――
――万丈、平行世界へ――
――変身できない永夢――
――変身能力を奪われたエグゼイド勢を助けるゴースト――
――『あ、お前は赤と青のライダー!!』『……いやお前もだろ』――
――ビルドの通り魔行為には意味があった――
――御成と壇黎斗神――
――フェニックスロボフォーム――
――ビルドガシャットと介して変身するブレイブ・スナイプ・レーザー――
――火野映司登場――
――アンク復活、オーズ変身――
――フォーゼ登場――
――ガイム登場――
――エニグマ起動――
――全ライダー集結、全員で決め台詞――
――それぞれの戦闘シーン――
――ハイパームテキ&スパークリング――
――別れの時間――
――エンディングメドレー――
――新ライダー登場――
――アマゾンズ映画発表――
全員「「「「「「「「「(帰ってアマゾンズ見直さないと)」」」」」」」」」
そして、上映は終了した。
上映前に
物語がまた始まれば……彼らは、ここであった出来事は忘れてしまうだろう。
だがしかし、楽しかったという気持ちは消えない。
いつまでも彼らの内に……。
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