02 オレンジシロップ

真夏の鮮やかな瞬きにヤられて

薄めて飲んでしまいたくなるジュース

きらめく太陽のチカラの濃さに

思わずむせて笑ってしまった


きみは僕の手を引いて

海の向こうへ招こうとする

その手には乗らないぞ

そっちは暗い大穴じゃないか


曖昧な記号を持ち合わせたまま

光と闇のまんなかを行き交う僕らは

甘い甘いオレンジシロップに騙されている


くすんだ色合いの影じゃいけない

ゆらゆら海中をゆらめきながら

胸に到達する波の高さを測ってた、

どんなにおおきなだろうと

あの太陽のチカラは消えないから

僕は真っ直ぐ水平線の果てを見つめる


きらきら、きらきらと

無数の飛沫しぶきがきみを濡らした

何か濃い一日の始まりを予感した

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