第44話修行中冒険者イオリード

今日も師匠のゴブムサシさんと森を探索しながら二短刀流の修行に明け暮れる日々。


師匠から一本取れたならもう一度冒険者となり旅に出ると決めて早くも4年17才になった

二短刀流は様になって来たが師匠にはまだまだ手も足もでない。


今日も同じように探索を無事に終え

師匠達のゴブリン村へと帰ろうしたところ


ゴブゴブと師匠が警戒しろと声を掛けた


なんとなくだがゴブリン達の言葉が、

師匠の言いたい事は、はっきりと分かるようになってきたのだ。


今は其どころじゃなかった、師匠が警戒しろと言うならば相当手強い敵が近くにいる!?


姿勢を低くし草の茂みに臥せる

ガサゴソと森の奥から現れたのは…


オーガ!!


何でこんなに浅い所に!?


相手は5匹、こっちは師匠と2人

完璧な奇襲が決まっても倒せるのは師匠と僕で精々2匹程度、残り三匹を真っ正面からでは勝目は低い。


師匠はハンドサインで一時撤退の合図をする

そしてもう1つのサイン

え?あの5匹をゴブリン村から引き離す?

僕は声が喉まで出そうなのを何とか抑えこんだ。村に援軍を求めればオーガ5匹位ならば

ゴブ太さんや他のゴブリン達で倒せる筈だと

思っていたが引き離すと師匠は合図した。

まさか!!5匹だけではないのか!?もしやゴブリン村に何かあった!?


僕が先にゴブリン村の反対側である森の東へと後退する。師匠はそれを見届け、オーガに気付かれぬようにトカゲのように音を消しながら木を登り、無警戒なオーガの一匹へと奇襲を喰らわせた。


やった!一匹のオーガの首を木の上から飛び降りた師匠の二棍棒が挟み、回転する勢いで首をへし折った。

師匠はすたっと着地したと同時に此方へ走る。


しまった!!師匠の絶技に見とれている場合ではない急いで走れ!!




残りのオーガ4匹は初め何が起こったのか分からなかった。最後尾の仲間の1匹が突然ドシンと倒れたのに気付き振り向くと、小さい何かの影が走り去るのが見えた。

倒れた一匹は首があらぬ方へと曲がり既に死んでいた。4匹のオーガは怒りに我を忘れて

逃げ去った影を何処までも追いかけたのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る