第27話 ある能力者1
ある日、目覚めたら視界の右端にメールアイコン見たいな物があった。
最初は目にゴミが入ったのかと思い目を擦るものの取れない。
どうみてもメールアイコンだ。
開けっ!って感じで思ったら、何と開いた上に目の前に文章が。
******
件名:おめでとう
本文:キミに能力を与えよう。
キミは眼鏡を掛けた女性が好きなんだね。
その気持ちが本物なのを見込んで以下の能力を与えよう。
キミの愛用しているカメラで撮影すると写真と一緒に対象者の眼鏡を回収する事が出来る。
さあ、これでキミの欲望を満たすといい。
ああ、先に行っておくけど副作用とか一切無いからね。
じゃあ、このメールは自動的に破棄させて貰うよ。
******
一体なん何だ? 目の前に表示され読み終わったらサーッと消えていった。
確かに俺は眼鏡を掛けた女性が好きだ。
それも、グラビアとかじゃなく素人女性の眼鏡姿だ。
だから、俺は愛用の一眼レフカメラを持って風景写真を撮るついでに街中の女性を撮っている。
眼鏡っ娘限定で。
ああ、あくまでもついでだ。
まあ、パソコンのフォルダでD~SSランク付けでフォルダ管理もしているが・・・。
いや、ここは今は自分の脳内思考・・・遠慮はいらないか。
そう、眼鏡っ娘が大好きすぎるんだ・・・。
あの眼鏡のフレームとレンズ・・・知的な雰囲気も出れば、おっとりお姉さんな雰囲気、文学少女的な雰囲気、眼鏡で様々な雰囲気をかもし出すことが出来る。
ああ、眼鏡っ娘に触れたい。
せめて、眼鏡だけにでも触れたい。
そう思っていた日々に・・・さっきの目の前に出た文章はなん何だ?
しかも、カメラで写せば眼鏡を回収できる?
ばっかじゃねーの。あははは。
まあ、それが本当だったら、眼鏡っ娘の写真と眼鏡を使ってキャッキャウフフが出来るじゃないか!ってそんなのあるわけねーか。
と言うような事を忘れて、今日も街中で撮影。
ちなみに俺の仕事は実際に写真を撮るのが仕事だったりする。
まあ、雑誌とかに使う風景写真がメインなのだけど。
だから、周りからもまさか素人女性でしかも眼鏡っ娘を盗撮しているとは誰も思うまい。
と思っていると、向こうからスーツ姿のキリッとした眼鏡女性がやってきた。
20代後半だろうか・・・ちょい釣り目で何かSっ毛がありそうな感じがとてもいい感じだ。
SMは良く分らないが、こういった女性に馬乗りになってもらいたいってのも分る気がする。
ああ、もちろん俺は眼鏡があってこそだが。
そして、ピントを合わせてシャッターを切る!
カシャン!
「きゃ、えっ?何?何??」
と目の前の女性が驚く。
そしてよく見ると急に女性から眼鏡が消えた。
何故か、その眼鏡が消えた女性に向けてシャッターを切り続ける俺。
私の中で何かが目覚めた。
その後、公園のベンチに座り考える。
あれは何だったんだ。
いきなり目の前から眼鏡をしていた女性の眼鏡が消えた。
タバコを吸おうとポケットを漁ると、何か固い物がある。
取り出してみると。
眼鏡だ・・・。
しかも、あの女性のしていた眼鏡と一緒だ。
これは・・・あの時メールみたいなのに書いていた事か?
“キミの愛用しているカメラで撮影すると写真と一緒に対象者の眼鏡を回収する事が出来る。”
ドクンっと心臓は跳ねるような感覚があった。
これは夢なのか?
古典的だが顔の頬を抓る・・・痛い。
現実なのだろうか。
いてもたっても居られず街に走り出した。
眼鏡を掛けた女性を狙いシャッターを切る。
同じ現象が起こる。
間違いない・・・これはあのメールに書いていた事だ・・・。
これは何なんだ? 超能力?
カメラが違う物に変わったのか?
でも、カメラは愛用のカメラそのものだ。
いや、この際それはいい。
何だろう眼鏡を掛けた女性が一瞬で眼鏡が無くなり、それに戸惑う表情・・・。
眼鏡姿からの変化・・・美しいと思った。
そして、困惑する表情に俺は異常なほど興奮していた。
俺は眼鏡姿の女性が好きだ。
だが、この能力で眼鏡が急に消えて戸惑う女性の姿に妙に興奮を覚えた。
言うなれば、ビフォーアフター。
これが写真として記録にも残り、前後を楽しむ事が出来る。
そして、その瞬間的な困った表情する女性が何かこうフェチ心をくすぐると言うか・・・。
俺はこのカメラを持って街を徘徊しシャッターを切り続けた。
・・・既に夜中になっていた。
家に一度戻った。
眼鏡が大量に入ったカメラケースの中に手を突っ込み様々な眼鏡を触り、そして、カメラの液晶画面に映る撮れた写真の数々・・・これはヤバイと思った。
麻薬はやった事はないが、これが麻薬と同じ感覚なんだろうか脳内がとろけるようで気分がハイになるというか、今までに感じた事の無い感覚。
その日から俺の日常は変わってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます