菊池の応援歌

@kikuti_yunta

第1話少数派たちへの応援歌

 少数派、マイノリティ、はとても生きづらい。社会は常に、物量的、力量的、多数派の意見を是とする。少数派は、自分たちの正義を折って虚ろな目で生き続けるか、信義を貫き通して社会的に、あるいは生物学的に、死ぬしかない。

 よくわかんねーか?例えば、カレーうどん派とカレーライス派がいて、双方の勢力が全面対決したとしよう。どちらにもそれぞれの美味しさがあるさ。だがカレーライス派が勝利すれば、敗者たるカレーうどん派は、自分たちが愛するコクやまろやかさ、箸からつるんってうどんが滑って汁が飛ぶご愛嬌、全てを噛み殺し、じっと耐えるしかない。

 そしてカレーライス派の元には、勝利の美酒に酔いしれる暇もなく次なる試練が訪れる。そう、全部混ぜ派と、ちょっとずつ混ぜ派だ。こうして価値観の違いゆえに仲間同士傷つけあうのが人間ってもんさ。

 これが少数派と多数派の原理。民族紛争やらセクシャルマイノリティの問題やら、全部この原理。ようは、強者が弱者に価値観を力づくで押し付けてるわけだな。セクマイに関しては一部で既に強者と弱者が逆転しつつあるが、それはまぁ別の話。

 とにかく、俺は言いたい。世界中の少数派ども、マイノリティども。全力で自分たちの立場を誇るんだ。

 そりゃあ、とても生きづらいさ。マイノリティは常に、倫理や道徳、思想など、なんらかのルールという正義の名のもとに抑圧され続けてきた立場だ。俺だって、心の病、バイセクシャル等のマイノリティ要素を抱えて生きてきた。そのつらさはとてもよくわかる。

 でも、だからこそ得たものがあると思わないかい。つらさや痛みを知ればこそ、人に優しくできるんだ。謙虚さも身につくってもんだ。踏みにじられて、初めてわかるものもあるんだよ世の中。傷ついて、信条を貫いて、最後まで自分を曲げない、そんな生き方の先にもまた幸せはあるもんだ。

 マイノリティは、決してただの弱者じゃない。勇気を手に入れた次の瞬間、自ら課した苦悩に打ち勝つべく武器を手に取った勇敢な戦士たちなのだよ。

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