赫映姫の罪 - 童話?★7

賽の河原で石を積む。

三途の川を渡るには、六文銭が必要で、けれど幼く死んだ子は、支払う徳を持たぬまま。


賽の河原で徳を積む、親のためにと石を積む。

日が暮れようとする時に、鬼が子どものもとに来る。

鬼が子どもに言うことにゃ、現世の親が引き留める。

辛い悲しと泣くばかり、その嘆きが徳を消す、恨むのならば親にせよ。

せっかく積んだ石塔を、その棍棒で打ち崩す。


ある日天女がやってきて、一人の少女に声かけた。

あなたの親は死にました。あなたの邪魔をするものは、もはや誰もおりません。

三途の川を渡るため、現世に降りて徳を積み、その対価といたしましょう。

ある老夫婦のもとへ行き、彼らに幸せ与えませ、そしてあなたも幸せを。

けれども一つ約束を、あなたは現世の人でなく、すぐに冥土へ渡る身よ、決して現世の人々と、恋仲になることなかれ。

時が来たらば現世へと、あなたのことをお迎えに、どうかそれまで良い日々を。


そして少女は竹の中、老夫婦と出会うため。

美しくなった少女には、求婚するもの続々と。

けれどもそれを受け入れる、わけにはいかず無理難題、出して相手を追い返す。

あるひ遣いがやってきて、時が来たこと告げました、次の満月その夜に、あなたを迎えにあがります。

ついに来ました別れの日、別れを惜しむ老夫婦、少女を連れて帰るため、罪人なのだと告げまして、天へと連れて昇ります。


帰ってきました冥土へと、手には六文銭握り、三途の川の向こうへと。

別れのつらさ胸の中、幸せな日々思い出に、三途の川を渡ります。

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