第21話 呼ばれたのかな?

ある日娘と近所を歩いていた

親子でトラブルを抱え

二人とも相当暗くなっていた

神社の前を通りかかると

いつもはただ通り過ぎる神社なのに

娘がとつぜん寄って行こう

と言い出した


それな

こんな気分の時はいいかもねと

二人で神社に向かった

そこは階段を上がっていく所で

上っていったら他には誰もいなかった

こちらの神様はどなただろうと

由来を読むと天照大神さまだった

天照大神さまといえば弟の神様の

乱暴をなげかれた方

それってまさに今の我が家と似た状況

失礼ながら親近感を覚えた


お賽銭を入れお参りしてると

娘があれ開いてるよね?

と言い出した

あれって?と奥をのぞくと

御神体がおわしますとおぼしき扉

あいてるわけないじゃないと思って

よーく見ると確かに扉がほんの少し

開いてるのが分かった

それを見て私は

天の岩戸の話を思い出した

こっちをのぞいてる??

ま、まさかねー

でもあんなハンパな、まるで

締め損なったような適当な扱いは

間違ってもされないはず


今日は社務所に

どなたもいらっしゃらないようだから

聞くに聞けない

いぶかしいと思いつつ振り向くと

人が増えていたのでその場を離れた


そして娘がおみくじをひくという

開いてみると大吉!

それを見てもやもやとしていた

娘は少し安心したらしい

まるで神様になぐさめられたみたい

来て良かったね!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る