8/19 2時
月に行くと、由美子が待っていた。
魔法少女のゆみちゃんとして。
彼女は腕を組んで私に言う。
「もー、続きはどうなったの?」
由美子とは、もう長い付き合いになる。
かれこれ2、3年になるだろうか。
彼女がいる主人公の物語を、私は片手間に書いている。
ネタ帳の隙間を埋めるのは、彼女の物語だ。
どうやら最近、他の作品にかまけているから夢に出てきたようだ。
「あー、ね。あんな微妙なところだしねぇ」
しどろもどろに返すしかない。
「あのままだと、私が不憫じゃない」
むっつりとそう言って、由美子はそっぽを向いた。
足元には黒猫がいる。
……名前はなんだったっけ。
可哀想な由美子。
悲惨な運命の待つ由美子。
その悲しみ故に、妄想ばかりする由美子。
男運のない彼女が、出会う1人の男。
コメディなのか、シリアスなのか、全くわからない雰囲気が私好みなのだ。
だから、どこに出すでもなく。
今まで適当に書いてきた。
なんの気負いもなく。
読み手のことも考えず。
やりたいように、やりたいまま。
続き、書きます。
たぶん。
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