刃物
ザクッ――心地良い音色だ。酩酊した動物の臓物を掻きながら啜るのも最高だ。されど私は満たされず、新たなる獲物を求めて漂う。得物は刃物一本で、誰もが恐れる光輝の放出。催眠に堕ちた私は揺れる脳味噌と共に、愛すべきものを眺める。滴――誰の赤色だったか。誰の錆びた彩だったか。現の私には判断不可能だが、彼か彼女に違いない。冷える肉の塊。垂れる汚物の濁々。めまいのように畏れた、私の大切な宝物。月が沈む。十字に裂けた黄金が沈む。鎮まる己を携えて、脳天を晒す
――異質の奈落で在り留まる『彼』『彼女』等。
――刃物を携え
――世界と共にバーラバラ!
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