赤ずきんカオス

菅野アスカ

第1話 お見舞い

「赤ずきんちょっと来ておくれ」

「なんですかお母さん」

「森に住んでるBBAが病気になったからお見舞い行ってきて」

「え、やだよめんどくさい」

「今優しくしとけば赤ずきんが欲しがってた青いシャツと青いスカンツ買ってくれるかもよ」

「よっし行ったるでーバリバリ」

「ありがとうね。はいこれ」

「よし、このワインとフルーツ持ってけばいいのね」



数分後


「大体今ずきんとか流行遅れすぎだっつうの。自分の感覚で服選ぶのやめてくれないかなー。そもそも私赤嫌いだし」

「おっ?あそこにいるのは女の子だな。ぐふふふふ、うまそうだな」

おおかみ が あらわれた!

「はっ!不審者に見られている予感!うおお、誘拐されてたまるかー!!!!」

あかずきんは にげだした!

「はあっ!しまった!気配隠しきれてなかったか!」



さらに数十分後


「ふう、不審者から逃げきれたぞー。さあ、ばーちゃんのとこにお見舞い行かなきゃ」

(なるほど、あの子はお見舞い行こうとしてたのか。じゃあ、森に住んでるあの変人の孫か。よし、あの子を寄り道させて、その間にババア喰って、そのあとババアに成りすましてあの子も食おう)

「やあお嬢ちゃん。お見舞いに行くのかい?ならここから南東に行ったとこに花畑があるから、少し摘んで持って行ったらどうだい?きっとおばあさんも喜ぶよ」

「ばーちゃんちの正反対じゃん。ばーちゃんちどっちにあると思ってんの」

(しまった!あいつの家は北西だった!)

「あ、いっけなーい。もうこんな時間。早く行かなきゃ。じゃあねー」



さらに数十分後


「僕は木こりだー♪空が白んだら起きだしてー♪ばっさばっさと薪をとるー♪」

「木こりさんこんにちはー」

「おや、嬢ちゃんお見舞いかい?」

「うん」

「じゃあ、狼に気を付けてね。なんか最近ヘンタイ狼が増えてさあ。狩人さんたちが巡回してるけど、注意するに越したことはないからね」

「らじゃー」

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