第22話 神様の意地悪

最後と決めた今日。


ガシャン


持ってきていたカメラを落としてしまった。


公園へ来てみると、そこには来ないと思っていた人が。


「藍どうして…」


私の方がどうしてなのか聞きたい。


自分で来るなと言っておきながらも、公園に来ている瑠依に。


「瑠依…」


あぁ、諦めよう、そう決めていたのに神様は意地悪だ。


何故私と瑠依を会わせたのだろうか。


今にも彼へ伝えたい気持ちが溢れてくる。


「私…」


「どうして来たんだ!」


青ざめたような顔で私に怒鳴ってきた。


「ど、どうしてって、そんなのずっと瑠依を待っていたから…」


「今すぐ帰るんだ。いや、何処でもいいから人がいる所へ行くんだ!」


「どういうこと?」


私はこの状況が全くわからない。


瑠依はとても取り乱していて…


「お願いだ、早く…どこかへ…」


今にも壊れそうなぐらい辛そうに言葉を発している。


私はこんなにも彼に嫌われていたのか。


何かの本で読んだな。


初恋は実らないって。


なら、いっそのこと言ってしまおう。


震えながら、勇気を振り絞って…


「嫌だ。私はあなたが、瑠依が好きなの!一生こんな気持ちに無縁だった私だけど、瑠依に恋してるの!私!」



「え…」


「お願いだから、どこかへ行けなんて言わないで!」


私はその場へ泣き崩れてしまった。


瑠依が余計に戸惑ってしまう。


だけど、もうこの想いは止めることが出来ない。


「僕だって…」


「え?」


瑠依が何かを言いかけたその瞬間、ぎょっとした顔でこちらへ走ってくる。


「藍!!」


それと同時に、後ろから振り向かなくても分かるぐらい、眩しい光が…


「あっ」



そう思った時にはもう手遅れだった。

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