第20話 元へ

「もう、この公園には来ないでほしい。」


一日ぶりのはずなのに、何年も会ってない人のように冷たく、一方的に告げてきた瑠依。


「どうして?」


「藍が最初に言ったでしょ。'期間限定の友達'って。」


そうだった。


瑠依と出逢った時、私は友達なんていらないと思っていたから、そんな事を約束していた。


今では逆なのに。


「嫌だ。」


自分勝手な私だ。


瑠依に恋をしてしまった気持ちはもう止められない。


離れたくない。


「僕も嫌だよ。だけど、決まったことだから。」


少し悲しげに、苦しそうに言う瑠依。


瑠依だけそんな顔をするのはずるい。


私は好きな人を教えてもらえず、気持ちを伝えることすら許してもらえてないのに。


私は崩れてしまいたいぐらい苦しいのに。


いつからこんな風に変わったのだろう。


きっと瑠依に変えられてしまったのだ。


だけど、約束をしたのは私。


瑠依を引き止めることなど出来ないのだから。


「分かってる。バイバイ、瑠依。」


そう言い捨てて、私は走った。


公園を出るまで、家に着くまで、一度も振り返らなかった。


そして、昨日のようには後ろから瑠依の声が聞こえてくることは無かった。


これでいいんだ。


何もかも受け取っていなかったあの頃へ帰るんだ。


涙を流すことなどなかった


前の私へ…

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