この素晴らしい住人たちの日常に祝福を!
@hishiron
第1話
安らぎが欲しい…
俺はそんなことを思った。俺は魔王を倒した伝説の勇者だ。だというのに莫大な金が手に入ったこと以外は魔王討伐前と余り変わらない。
そしてなによりも、俺は毎日なぜか疲れてることだ。なぜだ、そう、こいつらのせいだ。
「カズマさ〜ん、私の宴会芸道具どこいったか知らないかしらー??」
知るかそんなもん。
「カズマ、カズマ、そんなことよりも今日は爆裂散歩に付き合ってください。今日も爆裂欲がとてつもなく溜まってます」
「そんなことってなによめぐみん、いい?私の宴会芸はね私のアイデンティティと言ってもいいのよ。その道具をなくしたっていうのはとても一大事なのよ!」
あ〜、うっるせぇ…
うるせぇなぁ宴会芸の女神様。
「まぁ、めぐみん、カズマはいつものように動く気なさそうだから私がついていこう」
おぉ、気がきくなダクネス。
それにしてもわざわざ俺の代わりに行ってくれると言うのか。
「そ、そしてだな…その、爆裂魔法を私にも当たるようしてくれないか?
ここ最近なかなか良い刺激がなくてだな……」
まぁ、そういうことだろうと思ったよ。
あー、家から出たくねえしなぁ…ここはこいつらを外に出してゆっくりするか。
「どうしたのですか?カズマ、さっきからなにも喋りませんが」
「んー?爆裂散歩?二人で行ってこいよ。俺は屋敷の警備をしとくからよ」
「何言ってるのよヒキニート。家にいるなら私の宴会芸道具探しなさいよ」
「いやだよ、なんで俺が…。つうかヒキニートじゃねぇ、自宅警備員兼冒険者という立派な職業についてんだよ」
「二人とも喧嘩はほどほどにしてくださいよ、それではダクネス、爆裂散歩に行きましょう」
「あぁ。ではな、カズマ、アクア
屋敷の警備を頼んだぞ」
「おう、プロの自宅警備員カズマにまかせとけ!」
「うっさいわよヒキニート〜、
早く私の機動要塞デストロイヤーの模型を探しなさい」
「嫌だっつってんだろ駄女神が」
しかもなんだよ起動要塞デストロイヤーの模型っていつどこで手に入れたんだよ
せっかく家から二人出かけたんだ。ちょっとは静かになるだろう
「あー!!また駄女神って言ったぁ〜〜〜〜!!カズマのバカ、バカ、バカ!!!」
あぁ〜〜〜一番うっせえのが残ってるわ
仕方ねぇ、見つけたら黙ってくれるか、探してやろう
「しっかたねぇな〜〜、探してやるから騒ぐんじゃねぇぞ」
「ふん、そうやって最初から従ってればいいのよ」
こんのクソ駄女神様がぁ……
くそ、耐えろこれで見つけたらこの後のんびりできる時間ができるんだ
「おい、アクア、その模型ってのはどのくらいの大きさなんだ」
「そうねぇ…結構大きいわ」
わかんねぇよ。
「そうか、ならすぐに見つかるんじゃないか?」
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結局アクアの部屋にあったということで俺はとてつもなく無駄な時間を過ごしてしまった。これでは安らぎとは程遠い。
「やっぱり安らぎと言ったらエリス様かな〜」
しかしあんまり行き過ぎるとエリス様にも迷惑になるな。
エリス様に迷惑をかけずにエリス様に合う方法か…
…………!!
こういう時のサキュバス店ではないか!
残念だが自宅警備員の任務は放棄しよう。
「アクア〜!俺ちょっと出かけてくるわ〜!」
「なになに?どこ行くのカズマさん!ヒキニートがついに外に出るのね!!」
「あぁそうだよ!じゃぁなー」
いざ、楽園へ!!
そういや外泊するって伝えてなかったな、まぁいいか。
サキュバス店を出た後、まだお昼時だったため夜まで時間をつぶすことにした。
と、いってもどこで時間を潰そうか。
ギルドにでも行くか。
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ギルドについた。ほんとに暇だったから特別なにかしにに来たわけでもない。
ギルドにいたアクセル随一のチンピラことダストに話しかけられた
「よぉ、アクセルの鬼畜男でありながら伝説の勇者様じゃねぇか」
褒めてるのか褒めてないのかどちらかわからない挨拶をかましてきたアクセル随一のチンピラ
「よーダスト、伝説の勇者様がギルドに来てやったぞ」
魔王を倒した伝説の勇者なんだから俺の登場にもっと湧いてもいいんだがなんだろう、俺ってそこまで人気じゃないのかな…
「けっ、自慢しに来ただけかよ」
「ちげーよ!!ほんとに暇だったから来たんだよ!」
「暇な勇者様なんだなお前は」
「言っとくが俺はあくまで冒険者だ。勇者っていうのはムカつくがあのマツルギとかいうやつみたいなのをいうんだよ」
「そうだな、あの魔剣の兄ちゃんはムカつくがザ・勇者って感じだよな。ムカつくが。」
そういえば魔王討伐以来あいつとは会ってない気がする。会いたくはないが。
「ところでカズマよぉ、お前これからも暇なのか?暇なら俺のナンパに付き合ってくれてもいいぜ」
「生憎俺はサキュバスの姉ちゃんにお世話になるから夜まで時間潰してるだけだ。なにが嬉しくてお前のナンパに付き合わなければならねぇんだよ」
それにこいつの言うナンパはナンパと言うよりマッチポンプだ、あくまで本人はナンパと言い張るが
「なら時間あるじゃねぇかよ、ほらいくぞいくぞ」
はぁ…しかたない、付き合ってやるか
時間つぶしにナンパするとかどうしようもないクズだな
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ダストが人気の少ない裏路地に行こうと言い出した。
なぜナンパするのに人気の少ないとこにいくのだろうか
あぁ…こいつの言うナンパはマッチポンプだったな…
移動してる途中にやけにキョロキョロしてる紅魔族の女の子を見つけた
「お!ゆんゆんじゃねーか!おう、ここで会ったのも何かの縁だ、飯おごぅてくれよ、なぁ?ええやんけ!」
これはナンパっぽいが明らか知ってる人間を誘っている
「なんですか嫌ですよダストさん。私は散歩してたらと、ともだちに会ったりしないかな〜って歩くことに忙しいんです!」
「なぁ、ゆんゆん…マジでいつでも俺の屋敷に来ていいからよ、めぐみんとかが相手してくれるよ?」
「そ、そそ、そんな、いきなり会いに行くだなんて迷惑じゃないですか!」
ならいつ会うというのだろうか
「オゥコラ!!カズマ!俺の獲物横取りしてんじゃねぇよ!!」
どっからどうみても俺は横取りしてない
飯おごってもらおうとしてたやつがなに言ってんだ
「私ダストさんの獲物だったんですか?!やめてくださいよあなた何考えてるんですか!」
「うるさいぞボッチ。おいカズマ、他行くぞいくらアクセルのチンピラこと俺でもクソガキに手を出す趣味はねぇ」
どの口が言ってんだ、さっきすげぇ勢いでゆんゆんを誘ってたじゃねぇか
「はぁ、わーったよ、じゃぁなーゆんゆん」
「え、ぁ、はい…」
ゆんゆんが仲間にして欲しそうな目でこちらを見ている、ふむ、知り合いに会うために散歩してたとも言ってるしここは誘ってやるのができる男なんじゃないのか?
「どうしたんだ?ゆんゆん、よかったら俺たちと一緒に「なんだクソガキ、ぼっちだからどうせ暇なんだろ?俺と一緒にどっか行くか?」
・・・・・
「え、ぇでも私といても楽しくないですよ?」
「まぁそういうこと言わずに美味い店連れて行ってやるよ、行こうぜ!お前の奢りでな!!親友!!!」
あれ、俺必要なくないか?
「は、はい!行きます!って、私の奢り??!
ま、まぁでも友達にご飯奢るってなんかいいよね!わかりました!いくらでも食べてください!」
「ぃよっしゃゃぁぁぁ!!やっぱ持つべきものは親友だな!いくぞゆんゆん!」
「はい!ところで美味しいお店とは?どこにあるんですか?」
「そんなもん、どこにでもあるだろが!
うっしゃぁ!ただ飯だぜ!」
「ちょっと、なんですか全然計画性ないじゃないですか!」
俺は今晩の宿を探すことにした
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