今までの繋がりに別れを①
街の入口で周囲を見渡す様にキョロキョロしていたジャンヌとアリスと落ち合って、ミドガルが予め取ってあった宿の机を囲んで座る。どうやら2人はこの宿に滞在していて、幸いにも野宿は1日もしていないという事だった。
ふかふかのベッドに寝かせた途端に目を覚ましたナーガを加えて、今後について整理と共に方針を決める。
「まず文句がある。この街から出ていろと言った筈だ」
「でも〜、それじゃあアイネちゃんが迷子になっちゃうでしょ〜? 偶然私が脱獄のお手伝いに行かなかったら〜、今頃最近少し太って出て来たお腹が無くなってたよ~」
「よふっ、余計な事を言うでない。偶然で脱獄の手伝いなどせんであろう」
「あれ〜、まずはミドガルちゃんありがとにゃんはーと、でしょ〜?」
咳払いをして逸れた話題を戻そうとすると、
「そう言えば〜、クライネちゃん王様になったみたいよ〜。見回りの人から聞いちゃった〜」
呑気にサプライズをカミングアウトしたミドガルは、両手を広げて毒で頭上に王冠を作る。
「話し合いなど要らぬな、クライネを取り返しに行くぞ」
そうと決まれば椅子から立ち上がってミドガルの毒で出来た王冠を手で払い、椅子に掛け掛けてあったクライネの為に作った服を鞄に仕舞う。
「行くぞぉぉー! えいえいおー!」
私のやる気に乗ったアリスがそう言うと、よしっ、と気合を入れてジャンヌが槍を持つ。
鱗の形を変えて庶民の服装に変えたミドガルは、毒で作ったナイフを至る所に忍ばせる。
宿を出てミドガルの服を参考にして鱗を変え、自分の牙で作った剣を服の中に忍ばせる。
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