獣
何故?なんで?
それだけが頭の中で溢れていた
気づいた時にはもう
あなたに刃物を突きつけていて
自分の手とあなたの身体からは
紅が溢れていた
あなたは人間とは思えないくらい
冷酷な人なのに
私と同じ紅い血が流れていた
あなたが好きだった
あなたに捧げるためだけの人生
そうなるはずだったのに
あなたが私を好きになることはなかった
いつも目障りそうに
冷酷な顔をして
忌々しそうに私を見ていた
苦しくてたまらなかった
限界だった
あなたに呼び出された時
あなたが言った言葉に
私の中で眠っていた獣が目を覚ました
ああこれで、全てが終わる
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